大丈夫?と思えるあなたは大丈夫
毒親育ちの方から親子関係に関するご相談を受けていて、必ず聞かれることがある。
それは「自分も親のようになるかもしれない、それが怖い、どうしたらよいでしょうか?」というもの。
親が毒親であったと認識し、それがどんなに世間から外れたものであったかと理解したはいいが、
その後彼らに付きまとう「自分もそうなったらどうしよう」というとめどない不安。
子供を持っていた場合、確かに親と同じような言動をとっていたと認識すると、
自責の念と自分に対して畏怖する気持ちが途端に襲い掛かってくる。
これを毒親からの二次被害と呼んでいるが、
尽きることのない被害に、これは本当に悲惨なことだと感じている。
確かに毒親の毒は連鎖するし、毒親の親もまた毒親で、そのまた親も毒親だったりする輪廻が恐ろしい。
それ故に、自分は毒親になってしまうのだと、毒親育ちは不安と諦めを抱えてしまう。
ある意味仕方がないのだ。子育てのモデルケースは親になってしまうから。
確かに、非毒親育ちと毒親育ちを比較すると、毒親育ちは毒親になり易いかもしれない。
しかし、毒親育ちが皆、毒親になってしまうわけではない。
どんな人が毒親の輪廻を断ち切れるのかというと、
「自分は大丈夫だろうか?」「毒親っぽい言動をしていないだろうか?」といつでも自分を内省できる人なのだ。
逆をいえば、毒親で「自分は大丈夫なのだろうか?」という、自分を俯瞰する視点を持っている人はいない。
むしろ、毒親はいつもいつでも自分は正しいと思っているし、それが故に毒親だと言える。