モラハラを理由とする離婚が急増しています。
「パートナーから何かにつけていつも怒られている」
「怒らせてしまうと無視される日が続いてしまう」
「トラブルがあると自分のせいにされて責められる」
「なにかあると頭ごなしに全否定されて辛い」
「不倫をされたのに責任は私にあると言われて悲しい」
「自分の思う通りにならないと激高し出して止まらない」
「一生私の奴隷になって尽くしてもらうからと言われる」
最近当サロンでお受けしている離婚のご相談で、主な原因として一番多いものは「DV」「モラハラ」であり、それら事案の結論はほぼ100%が離婚となっています。
ご相談に至った時点でかなりの我慢を重ねているため、道筋さえハッキリ見えたのなら選択はひとつなのでしょう。
この動画ではモラハラを主なパターンに分けて、深掘りして解説していきます。
パートナーからのモラハラを正しく理解することで、まずご自身を守る選択を最優先に考えてください。
我慢は何も生み出しませんし、我慢をすればするほど加害者の攻撃は酷くなるでしょう。
そして修復が出来ないほどの破滅を招いてしまいます。
■モラルハラスメントの特徴
モラルハラスメントとはどのようなものを指すのでしょう?
パートナーの暴言や暴行や無視などの悪意ある行為や、支配や悪意ある誘導など生活上の行為の総称です。
内閣府男女共同参画局が掲げるホームページでは、「精神的なDV」として定義されています。
家庭裁判所令和1年度の統計によると、夫婦関係調整調停事件のうちモラハラDV案件は、
夫からの申し立てが約14%にのぼり、妻からの申し立ては約25%となっています。
意外と夫からの申し立てが多いことに、驚かれる人も多いのではないでしょうか。
夫のDVやハラスメントは昔からよく聞かれる話ですが、昨今顕著な増加傾向にあるのは、実は妻から夫へのDVやハラスメントなのです。
妻のモラハラの場合は直接的に攻撃するのではなく、ガスライティングなどを効果的に用いた支配や、被害者を装った夫の人格攻撃が非常に多く感じます。
1/ 相手を貶めるような言動
「(自分に対する)思いやりが足りないダメな人間」
「普通の人が出来ることが普通に出来ないダメな人間」
「(自分の)理想のパートナーには程遠いダメな人間」
「あなたが出世しないのは人間性に問題があるからだ」
「おまえが容姿を磨かないからセックスする気が失せる」
「(自分の)言うことを素直に聞かないから失敗する」
それらは極めて主観的な発言ばかりであり、相手の立場や気持ちを考慮した言動ではありません。
自分の思う通りにならないからと、カッと直情的になって発言するパターンもありますし、支配コントロールしようと故意に発言する、ガスライティングによる発言である可能性もあります。
近親者から否定的なことばかり言われ続けてしまうと、最初は自分が悪いと思って受け止めていなくても、加害者から繰り返し繰り返し言われるたびに、自尊心は少しずつでも確実に傷つけられていきます。
果てにはいっそのこと加害者に従属したほうが、上手くいくかもしれないと考えてしまいかねません。
加害者は敢えてその状態を狙って仕掛けてきています。
「自分が至らないせいで相手が怒ってしまうのかな」
「相手を怒らせたのは自分にすべての原因がある」
「自分がしっかりしていれば避けられたことだったんだ」
「相手を怒らせないために私はどう生きるべきなのか」
「自分が我慢していればきっと上手くいくはず」
「いつか分かって受け入れてくれる日がくるはずだから」
このようにすべての物事を自罰的に受け止めてしまい、相手の顔色を伺うような言動を取るようになっていきます。
これは加害者からしてみれば思惑通りですし、願ったり叶ったりといったところでしょうか。
しかしたとえ僅かでも自分の意思は存在していますから、心の中では自分の本音と実際のギャップに苦しみます。
最終的には自らの感情を封印し押し殺してしまうことで、現実逃避から現状をやり過ごそうとしますが、それでも消すことのできない不満が徐々に積み重なり、最終的には精神不安定状態が顕著になっていきます。
最悪な事例では精神錯乱から自傷行為を起こしてしまい、精神科専門病院に3か月入院となった例もありました。
2/ 制裁的な攻撃や無視をする
相手が自分の思惑通りに事を進めなかったり、相手が思慮に欠ける言動をしたからと、
話し合いをもって解決しようとせず感情的になり、一方的な要求を押し付けたり攻撃的な言動をしたり、居ない者扱いをしたりLINEを既読無視したりと、実に幼稚で制裁的な無視や攻撃をします。
モラルハラスメントをする人は多くの場合、相手には公にしていないマイルールが存在していて、周りはそのルールの中にいるという認識を持っています。
自分が正義だと思い込んでいますから、なぜ正義である自分に従うことができないのかと、本気で考えているところが問題をより困難にさせています。
3/ 不機嫌を露わにするがその理由は言わない
相手が取った言動の何かに対して、明らかに憤りを感じているようにみえるのに、不愉快を露わにした言動を取っているのに。
「何で怒っているの?」と聞いてみても。
「言わないと分からないのか?」「自分でよく考えろ」などと相手を馬鹿にした言動をして困らせます。
そしてその理由を絶対に告げることはありません。
4/ 相手の趣味や考えを馬鹿にする
相手が趣味など何かに夢中になって楽しんでいるときや、
映画や本に感動して泣いたり笑ったりしていたときや、
新たな仕事にチャレンジをしようと準備しているときや、
やりがいを見つけて始めようと意気込んでいるときに。
自分が知らないことをしている相手が気に入らなくなると、
「そんなことがあなたの人生で何の役に立つのか」
「(自分と比べて)趣味の程度が低くて話にならない」
「全く面白くもなんともないのに笑うなんておかしい」
「感動して泣くポイントが全く理解できない」
「時代考証と合わないものは観る価値がない」
などと言って相手の趣向を全否定して馬鹿にします。
しかし逆に自分の趣味や考えかたを否定されたり、共感を求めても自分の求める共感が返ってこないと、
「どうせ程度の低い人間に自分の趣味は理解出来ない」
などと言って頭ごなしに相手を全否定してきます。
5/ 理由もなく食事を一緒に摂らない
昨日までいつもの通り一緒に夕飯を食べていたのに、ハッキリ理由も告げず一緒に摂ることを拒否したりします。
相手が一緒に食べないことを心配して気を遣う様子を、自分に関心を寄せていると捉えて安心を試したり、むしろその行為自体を楽しんでいるケースさえあります。
そもそも自己肯定感が低いため、人の気持ちを試さずにはいられないのです。
本人のそのときの機嫌ひとつで態度を変えてきますし、独自のマイルールで周りに断りもなく行動を変えるため、突然の行動に周りは理由も分からず困惑しますし、加害者の勝手な言動に振り回されてしまいます。
6/ 人前で馬鹿にしたり笑い者にしたりする
お互いの知り合いが集まって楽しく過ごしているときに、相手のことを平然と馬鹿にしたり笑い者にしたりします。
「夫(妻)として力不足でフォローに困っている」
「家族に気を遣えない人間なので大変な思いをしている」
「コミュニケーション能力が足りない人間だから」
などというように相手を一方的に馬鹿にしたり、へりくだって見せるために自分ではなく相手を使って、偏見たっぷりな思い込みエピソードをネタにして、相手のことを人前で笑い者にして自己満足したりします。
7/ 家事について事細かに否定する
家事について自分でやってもいないにもかかわらず、自分の理想通りになされていないところを見つけると、出来ていないところを頭ごなしに批判して詰め寄ります。
あるいは自分が上手くこなすことができない家事を、相手が卒なくこなしていたりすると、自分勝手に劣等感を覚えて逆に相手を蔑んだりします。
8/ 相手に釈明の機会を与えない
一方的で理不尽で勝手なことを言い放ちますが、それについて相手に釈明の機会を与えません。
自分の不満を一方的に突きつけてくるだけで、相手と話し合いをして解決する気は全くありません。
要は自分の意思を一方的に押し付けたいだけなのです。
9/ 相手の話に一方的な軽蔑や批判をする
基本的にモラルハラスメントを平気でしてくる人は、相手への「共感力」や「関心」を全く持っていません。
常に自分がどうしたいかどう思うかしか頭になく、相手がどう思うかどう感じるかに全く関心を寄せません。
他人の考えにはいつも否定から入りますし、先にも後にも諸手を挙げて賛同することはありません。
相手に賛同させるが勝ちという考えしか頭になく、自分が賛同するのは負けという考えしか持たないのです。
いつも脊髄反射のように否定からしか入りませんが、否定するものの代案を考えないまま否定をするために、結局物事が先に進むことはありません。
改善策や打開策を話し合って考えることはしませんから、相手からしてみると困惑や不快感しか残りません。
10/ 相手が病気などの時に冷淡な態度をとる
体調が悪い時こそ助けてほしいと考えるものですが、その為に自分の負担が増えてしまうことを嫌います。
負担から逃れるためにわざと不満な態度を出して、暗に負担を拒否する姿勢を示します。
ここぞとばかりに喧嘩を仕掛けて迷惑だと突き放したり、床に臥せてしまって思うように動けない相手に対し、相手のために放っておくほうがよいと勝手に判断します。
相手の気持ちを聞いてあげたり寄り添うことはありません。
しかしそれとは逆に自分の体調が悪いときには、相手の献身的な看病を求めてくる言動不一致があります。
そしてその要求は時に過度なものとなるでしょう。
なぜならばそれは自分が求める無償の愛だからです。
自分は与えることはしないが、相手は自分を常に慮って与えるべきと考えるからです。
■負の我慢から明るい未来は何ひとつ生まれない
以上がモラルハラスメントで離婚になった事例の中で、特に多かったモラハラの内容となります。
この動画を観てくださっている視聴者さんの多くは、実際モラハラに苦しんでいる最中ではないでしょうか?
「離れたいけれど今の生活を変えることのほうが怖い」
「これまでの我慢が報われずに離婚をするのは嫌だ」
「ひとりで生活していく術もないしお金もないから無理」
「自分が選択した人生が間違えていたと思いたくない」
「それでもまだ少しは相手のことが好きな自分もいる」
「相手を大事にしたらきっといつか分かってくれるはず」
あなたのお気持ちは痛いほどよく分かります。
生き方を変えるにはもの凄く大きなパワーが必要です。
簡単に左右できない問題であることは理解しています。
しかし加害者はそんなあなたの考えを見抜いています。
大切にしてくれない人をいくら大切にしても、あなたを大切にし返してくれるはずもありません。
なぜモラハラやDVを受けてしまったら、一刻も早く離れる選択がベストなのでしょうか?
大きな理由としては自分が安定的で幸せでなければ、家族を平和的に幸せにはできないからです。
以上から導き出せる結論として、モラハラ被害はそこから逃げ出せない人の、心の問題が非常に大きいと考えています。