日々モラハラの被害相談を受けていると、モラハラ被害に遭う人の性格傾向は圧倒的に、ことなかれ主義で自罰的に陥りやすいことが多いです。
被害者が自罰的になるように、加害者が巧みにコントロールしているのですが、そもそも加害者は誰にでもモラハラをしているのではなく、効きそうな人をターゲットに見据えて仕掛けていますから、被害者は被害を受けるべくして受けてしまうといえます。
自分の思いを貫くためなら人を傷つけても良いという、加害者の性格傾向を変えさせることは大変難しく、加害者自身が自らを改めたいと思わない限りまず無理です。
自ら改めたいと思うこと自体かなりのレアケースでしょう。
ならば被害者が被害を認識した時点で、自分を守る行動を取るより他の方法はありません。
この動画はモラハラ被害に苦しむ人へ向けて、モラハラの傾向別の対策と取るべき行動をご紹介します。
■そもそもモラハラを受けないようにするためには
モラハラ加害者は強く自己主張できない人や、言いなりになりやすく従順な人をターゲットにします。
YESやNOをハッキリ示して嫌なことややりたくないことに、しっかりとした境界線を引くことでモラハラを予防します。
1/ 支配が目的のモラハラ
加害者に都合の良い格下の人間だと思われないようにしましょう。
自分のペースを大切にして嫌なことはやめてほしいと、しっかり自己主張して厳しく抵抗を示すことが重要です。
何を言っても逆らったり逃げたりしないだろうと、軽く見られたり見切られたりしないことが大切です。
嫌なことをされたらすぐに離れるだけの能力や、覚悟やプライドを持っていることを厳格に示すことです。
2/ 自分の立場を脅かす人を攻撃するためのモラハラ
そもそも加害者と張り合う相手だと、見做されないように気を付けましょう。
だからといって過剰に下出に出ていると、支配するターゲットにされかねないので要注意です。
加害者の情に訴えるような陽動や誘導に乗ることなく、常に中立的な立場に立つ姿勢を見せることです。
境界線を越えてくるようなら厳格な拒絶姿勢を取ること。
NOと分かりやすくハッキリ伝えることが重要です。
3/ 思う通りの行動をしない人へのモラハラ
最初から加害者の奴隷になってはいけません。
嫌なことを我慢し続けて応じている被害者にも、加害者と同等の責任があることを知ることです。
加害者の勝手な頼みごとや押し付けや無理な要求には、毅然と断って拒否をする勇気を持つことです。
許容を上回るモラハラを我慢し続けてしまうと、モラハラを容認したという認定をされる恐れがあります。
法的には嫌なら逃げる選択肢も取れるはずなのに、それをしないならば容認したという認識をされかねないのです。
■モラハラに遭ってしまったら
1/ モラハラ加害者から逃げる
不幸にも既にターゲットとされている場合の対処法は、「とにかく逃げること」この一択しかありません。
平和的解決など被害者にされた時点で成り立ちません。
自己愛性人格障害は生育歴で形成された基本的性質であり、性格形成された大人が性格を変えられないのと同様に、本人が変わりたいと思わない限り変わることはできません。
加害者は自分が絶対正義だと信じて行動していますし、自分の間違いを認めて受け入れるということは、自尊心を自ら傷つけてしまうことにつながるため、加害者が自分を改めることはまずあり得ません。
劣等感を植え付けられ人格を破壊される前に、加害者の目を見ずとにかく逃げてください。
2/ 深くつながらず表面的な付き合いに留める
どうしても逃げることができない場合には、極力接する時間を少なくして関わりを最低限にしましょう。
同じ家に住んでいる場合には成り立たない論理ですので、別居という方法を取ることが第一選択となります。
事務的な話題に留めてとにかく関わりを最低限にしましょう。
加害者を敵視するようなあからさまな言動は止めて、精神的、心理的な距離はしっかりと取ることが肝要です。
しかし加害者はチャンスがあれば攻撃してきますから、攻撃されたときの対処法などの心構えはしてください。
どんな言いがかりをつけられたとしても、加害者の挑発に乗って感情的になってはいけません。
言質を取られて逆に被害者面をして攻撃してきます。
何を言っても何をやっても否定されてしまいますから、質問には質問返しで返すなど真正面を向くことを避けます。
愛想の良い対応はしないで境界線をしっかり引いて下さい。
断るときは「やらない」とキッパリ一言で伝えましょう。
3/ 冷淡な態度を取る、反撃に出る
逆らったり逃げたりしないとモラハラは悪化します。
支配が目的の加害者の場合は、根底にターゲットから嫌われたくない気持ちがあるため、冷淡な態度を取って従わない姿勢を見せると、機嫌を取るために一時的に攻撃が収まる場合があります。
それも加害者のコントロールの一つなので、攻撃をやめて被害者が安心した顔を見せると、なにかしらの理由をつけて再度攻撃してきますから、結果的に同じことの繰り返しとなってしまい、モラハラによる支配は更に悪化することが殆どです。
4/ 損得勘定を見せる
加害者は自分の利得しか関心を持てません。
その性質を利用して加害者の損得勘定を刺激しましょう。
モラハラによる健康被害が法的に認定されると、高額な損害賠償請求をされる恐れがあり、築いてきた地位や人望を失うと具体的に通告するのです。
損害が我が身に迫れば言動を改めるかもしれません。
危機感を感じさせてターゲットから外させることです。
ただしこの場合は被害者がすり替わるだけであって、加害者の性分そのものが変わるものではありません。
■被害者が抵抗を見せたときの加害者の反応
加害者に抵抗したとき予想される反応を理解したうえで、加害者に再び騙されないよう心して臨んで下さい。
加害者は被害者の心をコントロールするために、被害者の想定を遥かに凌駕する巧みなアプローチを
仕掛けてくる恐れがあります。
1/ 加害者は非を絶対に認めない
そんなことはやっていないし記憶にない。
そう感じるのは気のせいだと言って事実を全否定します。
2/ 加害者は自己正当化する
「あなたのためを思った躾のつもりだった」
「それは場を和ませるための軽い冗談のつもりだった」
「あなたのために事実を指摘してあげただけ」
被害者のためにやったことだと自己正当化しつつ、逆にこんな些細なことを悪く受け取られて、責められるなんて心外だし傷付いたと攻撃してきます。
3/ 自分こそ被害者であると主張する
「自分はダメな人間のフォローをしてやっただけ」
「散々面倒を見させられて迷惑していたのに」
「あなたのためを思ってやってきたことを仇にされた」
自分こそ被害者であり責められる理由はひとつもない。
いわれのない言いがかりをつけられたのはこちらであり、自分に依存してきた被害者の方こそ加害側だと主張してきます。
4/ 悲劇を表現する
いわれもないことで責められたためストレスを受けて、体調が悪くなったなどと被害者ぶることがよくあります。
精神疾患を装って被害者に罪悪感を植え付けたり、あなたのせいで自殺すると訴えだしたりして、相手の同情心を誘って問題を有耶無耶にします。
5/ 被害者を脅迫する
被害者が加害者より弱い立場にある場合には、立場を利用して被害者を困らせることがよくあります。
「そこまで言うならここで縁を切る」
「今までの貸しを今すぐ清算して別れる」
などと被害者を精神的に脅して追い詰めて、それ以上責められないような雰囲気に持ち込みます。
6/ とりあえずその場をやり過ごすための謝罪
第三者の前では上辺だけ反省する素振りを見せます。
泣きながら土下座までする加害者もいますが、自分が不利になる攻撃を早く終わらせようとする、偽りのパフォーマンスであることが殆どです。
そして被害者と二人になった途端に豹変し、
「おまえのせいで攻撃を受けて傷つけられた」と言って報復行動を開始します。
若しくは反省してもその場限りで、少し経つと元の木阿弥で同じことを繰り返します。
■弱さは支配を呼び寄せます
以上からも分かる通り、
モラハラ加害者は絶対正義であり変わることはありません。
正常性バイアスで相手の良いところを見ようとしても、のちに必ず裏切られて状況は悪化の一途をたどります。
現実を客観視できる第三者に援助してもらいながら、自分を第一に守る方向へ舵を切ることを強くお勧めします。
以上の対応策を何度も何度もリピートして聴いてください。
モラハラ加害者から被害を受けたときに、これまでお話しした対応がスムーズに取れるように、しっかりと頭に入れておく必要があるでしょう。
それでも上手くいかないときはいつでもご連絡ください。
ひとりで考えず一緒に対応策を考えていきましょう。