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アブノーマルな性癖を隠して結婚した夫の悲劇

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【セックスレス】アブノーマルな性癖を隠して結婚した夫の悲劇

今回は、夫からの相談です。ちなみに、彼はカウンセラーの旧友です。

SMの性癖を隠してお見合いをして、そのまま結婚した夫。

その結婚は、親同士の政略的なお見合いだったそうで、
お互いの相性などを確認する間もなく、断ることも出来ず、約束された結婚でした。

夫は、性に目覚めた頃から、性的倒錯を自認していて、特にSMに興味を持っていました。

セックス以外の普段の生活では、女性を大切にする典型的なフェミニストです。

しかし、いざセックスのスイッチが入ると、女性を征服し服従させる感覚や、

性的に加虐し、乱れる女性の姿に興奮を覚える、サディズムの性癖でした。

結婚する前にお付き合いがあった女性は、皆マゾヒズムの持ち主ばかり。

お互いにSMの嗜好がなければ、当然セックスが上手くいくはずもありませんから、

自然とその選択になるのでしょう。

しかし、この政略的な結婚に、夫の性的嗜好など考慮されるはずもなく。

やむなく夫は、双方の親に流されるまま、希望しない結婚をすることになりました。

妻は、そもそも性的に非常に未熟な女性でした。

それまでの男性とのお付き合いは一人だけ。しかもセックスもまともにしてこなかったとのこと。

妻との初夜は、キスもままならず、処女かと思うほど、

固くぎこちないセックスだったそうで、当然良いものではなく、

夫は愕然とし、そのときから結婚したことを後悔しました。

そんな思いとは裏腹に、その一回のセックスで妻は妊娠します。

その後、妻は出産し、周囲に祝福されて幸せそうに過ごしていました。

カウンセラーから見ても、彼らは表面上、理想の家族に映っていましたし、

そんな彼らを誰もが祝福していたと思います。

カウンセラーは、以前から彼の性癖について、本人から知らされていましたが、

今回、夫婦問題をカミングアウトされて初めて、夫婦が置かれた状況の深刻さに気が付いたのでした。

夫は生殖の為のセックスをしましたが、妻とのセックスの相性はゼロであり、

夫婦でセックスライフを楽しむなど、これまで皆無だったとのこと。

妻はそもそも、セックスを楽しむという思考がなかったため、

セックスを求めてこない夫をいいことに、妻の役割よりも、母の役割にどっぷり浸かっていました。

夫としては本意ではなかったそうですが、自分の性癖を満たす時間を作りたかったこともあり、

妻には不足ない十分な生活を保証してあげていました。

妻では性癖が満たされない夫は、アブノーマルな性癖が更に酷くなり、

SMクラブなどへ、妻に隠れて頻繁に出入りするようになります。

SMも普通のプレイから、よりハードなプレイへ。

果てには、ハプニングバーでの乱交へと、欲望の形を変えていきました。

夫の仕事は専門職で、世間では聖職と呼ばれている職業です。

良い仮面を被って仕事をせざるを得ない職業であったことも、

性癖が激しくなる要因であったと、私は感じています。

夫は、家庭や職場でのストレスを、アブノーマルなセックスで解消するという、

実に好ましくないスパイラルに陥っていきました。

夫が妻に隠れてしていたのは、SMという性癖がコアになった、単なるプレイですから、

そこに心の充足感をもたらすような人間関係は存在しません。

性欲を満たしたいという欲求と、

本当は男女としての心の充足感を求めたい気持ちが、夫の中で交錯していました。

その狭間でひとり隠れて苦しむ夫は、

端で見ていても気の毒になるほどで、次第に夫の心は荒んでいきます。

しかしある日、ふとした出来事から、妻に夫の性癖がバレてしまったのです。

夫の隠された性癖に驚いた妻は、夫の性癖を頭ごなしに馬鹿にし、

夫をなじり、変態犯罪者扱いの罵詈雑言を浴びせました。

ただの浮気ならいざ知らず、SMなんてあり得ないし、汚らわしい、

二度と私には触らないでほしい、気持ち悪いと、夫に強く言い放ったのです。

妻の一方的な価値観から、これまで妻の生活を守ってきた夫を馬鹿にして、人間性から否定したのです。

ちなみに、夫は性癖によるプレイがバレただけで、不貞行為をしたわけではありません。

本来ならば謝罪?をして、ありのままの自分を理解して欲しい、

妻には一切迷惑かけないからと、上手く収めるはずだった夫。

それなのに、妻から一方的な侮辱や中傷を受けたことで、

これまでずっと抑え込んでいた負の感情が、一気に爆発してしまいました。

夫婦喧嘩が、感情の応酬になってしまうと、

話し合いは成り立ちませんし、よい方向へ行くはずがありません。

結局、このトラブルをきっかけに、夫婦は別居することになってしまいました。

妻は、夫に裏切られた気持ちを持ちながらも、

実のところは今の生活さえ保証されればよかったそうで、

別居しても以前と変わらない生活を保証してもらえるならば、特に問題はないと主張します。

夫もまた、別居してからは、性癖を隠すことなく、妻に気を遣うことなく、

自分らしい生活が送れるため、当面の別居を受け入れることにしました。

しかし、妻から、夫は人間的におかしいと、性癖を全否定され、

まるで犯罪者を見るような目で見られたことで心に深く傷が残り、

夫はED(勃起機能不全)を患ってしまいました。

人それぞれに持つ気質や性格や好みがあるように、

性的な嗜好もまた、人それぞれに存在しますし、それは尊重されるべきことです。

※自傷他害の恐れがあるような極端な性的嗜好(ペドフィリア・小児性愛、パラフィリア)は、

この話とは全く別のものですのでご注意ください。

お互いの相性、とりわけ性的嗜好が合わない事による、夫婦生活の悲劇。

最初をいくら上手く取り繕っても、しばらくすると小さな誤差が大きな差となり、

この夫婦のように取り返しの付かない深い溝になってしまうことが、往々にしてあります。

それでなくとも、一度契約すると永続的となる夫婦生活です。

たかがセックス、と軽く見ることなく、パートナーとの性的相性について、

結婚前にもっと真剣に考えてみる必要があるでしょう。

自分に合わないものは全て汚らわしいもの、と極端な理解をせず、

まず相手の好みを知る姿勢と、一旦は受け止める気持ちを持つこと。

そこから、果たしてそれは自分には合うのか、合わないのか、答えを共に探っていく必要があるでしょう。

人の持つ本能にも多様性を認め、どうしたら上手く共存していけるのかを考える。

長く穏やかに暮らしていくためには、そんな鷹揚さが必要なのかもしれませんね。

事例の夫婦は、現在も別居中です。

子供がいますから、夫は離れたところから、必要に応じて養育に携わるスタイルに落ち着いています。

無理を感じたならば、無理をせずに距離を置く。

距離を縮めたいと思えば、その都度ゆっくり接してみる。

お互いの存在をストレスと感じてしまった夫婦ですから、

信頼関係が回復するまでは、適度な距離感の夫婦で良いと思いますし、それが最適解と言えるでしょう。

信頼関係が回復できないのならば、子供の独立などのターニングポイントに応じて、

離婚という選択を取ることもひとつの形です。

そうしてお互いの人生を尊重していけるであれば、

この夫婦の結婚も、別居も、離婚も、お互いにとっての良い経験と教養になると思われます。

あとは夫が被ってしまった、トラウマに端を発したEDが、一日も早く回復することを祈るばかりです。

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