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DVから身を守るために必要なこと

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【モラハラDV】DVからの脱出への一歩 | 強く生きるためのガイド

DVとは、かつては家庭内暴力とも呼ばれ、近年では行き過ぎた暴力が致死傷事件に発展し、

メディアで頻繁に報じられるようになっています。

DVは、精神疾患に伴わず、適切な対応によって解決が可能なものを指します。

些細な行き違いや理由なく突発的に発生する暴力は、瞬時にして家庭の雰囲気を破壊し、

家庭内は恐怖から不自然な沈黙で支配され、家族は本人の無秩序な行動に怯えながら日々を過ごすことを余儀なくされます。

特に力の弱い者、例えば子供や妻、母親は、暴力の対象となりがちで、

従属関係で奴隷同然の扱いを数年にわたり受け続けることもあります。

依存対象とされ、動きを常に監視される状況は、ストーカーのような密着した生活を強いられ、

安心して眠る時間すら与えられません。

深夜に突然叩き起こされ、本人が過去に受けた恨みやつらみなどを感情的にエンドレスで聞かされ、

話すうちに感情が高まって抑えられなくなり、理不尽な暴力が始まることもあります。

■暴力に走る心理状態

DVの奥底にある感情は、悲しみや苦しみです。

単純で衝動的な攻撃性が一時的に気持ちを落ち着かせることはあります。

しかし大抵は、暴力を振るった結果に対する自己嫌悪から自分も深く傷つき、

暴力を振るってしまった自分を許せず、その原因を必死に探す結果、

「暴力を振るった自分」に他責を繋げ、自己保身をしようとする悪循環が生まれます。

■暴力に対するスタンス

DVに対する基本対策は、「暴力の毅然な拒否」が全てであり、絶対的なものです。

一部の専門家は「最初から暴力を拒むべきではない」という意見もありますが、

これは精神医学の臨床の観点から見ても絶対的な間違いであり、結果的には暴力を助長してしまう危険性が

あります。

進んで暴力を受けることは相手に対する危険な挑発であり、対決姿勢や力による暴力の制圧は、

暴力の連鎖を生み出すだけです。

■暴力の難易度

DVの難易度は、暴力の内容ではなく「暴力の継続期間」が重要です。

激しい暴力であっても早期に対処すれば比較的スムーズですが、数年にわたる慢性的な暴力は対処が困難になります。

これは肉体的な暴力のみならず、精神的な暴力(モラハラ)についても同様です。

■暴力の裏にある気持ちは悲しみ

暴力を振るう本人は必ずしも「自分が暴力を振るうのは周りのせい」とは考えていません。

周りとは、本人の生育歴や現在のパートナー、子供などを指します。

暴力を振るった当の本人のカウンセリングを進める中で、暴力を振るう人々は、

ほぼ全員が「自分はダメな人間である」と告白します。

これは彼らの本心であり、自責と他責の間で苦しみ、心が安らぐことのない日常を、

不安を抱えながら過ごしていることを示しています。

このことからも、DVの奥底にある感情は、「憎しみ」ではなく「悲しみ」とも言えるでしょう。

■DVとは物理的なものだけではない

DVと聞くと、多くの人が物理的な暴力、要は肉体を傷つける暴力を想像するでしょう。

しかし、暴力は一括りの総称であり、物理的な暴力だけでなく、

精神的な暴力、言葉の暴力、性的な暴力、不貞行為など、さまざまな形態のものが存在します。

精神的な暴力は、双方が気づきにくい難しさがあり、自分が嫌だと感じた瞬間から、

それを暴力だと認識することが重要です。

■暴力からの避難

暴力の否定と拒否のために、最も有効な手段は「避難」です。

暴力と対決するのではなく、まずは暴力の場面や場所から避難することが非常に重要です。

ただし、「ただ避難をすればよい」という簡単な理解ではうまくいきません。

専門カウンセラーとの連携のもとで慎重に打ち合わせを行い、実行に移すことが必要です。

DV問題を解決するためには、まず被害者が自分の状況を理解し、適切なサポートを受けることが不可欠です。

被害者はしばしば、加害者によって孤立させられ、自分の権利や安全を守ることが難しくなります。

しかし、DV支援団体やカウンセリング機関では、被害者が匿名で相談できる場や、

安全な避難先を提供するなど、包括的な支援が行われています。

DV加害者に対しても、専門的なカウンセリングやプログラムを通じて、

その行動を改善し、暴力を制御する援助がされています。

これはかなり難しいことではありますが、加害者が自らの行動に気づき、

変容することができれば、将来的な再発を防ぐことも期待できるかもしれません。

DVは、単なる個人の問題だけでなく、社会全体での問題でもあります。

そのためには、一人一人がDVに対して無関心ではなく、関心を寄せ、サポートの手を差し伸べることが必要です。

最近も、家庭内で起こるDVにより、幼い子供がその犠牲となり、傷害を負ってしまったり、

不幸にも亡くなってしまうという事件が後を絶ちません。

子供をDVから守るべき立場にある親が、加害者に加勢したり、

守ったことにより自分もDVを受けて傷害を負ってしまうパターンもよく聞かれます。

実際に、最近ご相談を受けた事例で、親から虐待を受けて育った夫が、妻にモラハラを繰り返し、

妻が我慢をしてしまったため問題がこじれ、遂には身体的暴力に及ぶようになり、逃げようとしたところを監禁され、

精神的症状を発症し、自殺未遂から精神科に入院するというものがありました。

この事例も、妻が我慢などをせず、適切な時期に適切な対応がなされていれば、

監禁や入院などの最悪な事態は防げた可能性があったと思われます。

このような不幸な事件が無くなるよう、社会的な連帯感が強まることで、DVに立ち向かう姿勢が広まり、

より安心で公正な社会が築かれることを、心から願ってやみません。

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