モラハラ者は基本的に相手に依存しています。
モラハラが相手をつなぎ留める手段になっていて、依存相手を失う恐怖から更にモラハラを働きます。
モラハラが陶酔感や優越感を満たすこともあり、モラハラ自体に依存している事例もあるでしょう。
■モラハラに依存している人の特徴
1/ モラハラが通用する相手か値踏みする
モラハラ者は、誰彼構わずモラハラをするわけではありません。
「この人はモラハラが通用するかどうか」が基準です。
相手が、自分の基準を満たすかどうかを必ず確認します。
そのためまず相手に対して、軽いモラハラを試すのです。
モラハラが効く相手と確認してから、ターゲットに据えるのです。
モラハラ者は、一貫した行動パターンを繰り返します。
本格的な交際に入る前に、軽いモラハラを試すやり方は、彼らにとって、自尊心を護るためのルーティーンであり、破局した後も学習せず、同じパターンを繰り返します。
モラハラ者がモラハラに依存しているというよりも、コミュニケーション手段がそもそもそれしかありません。
相手がモラハラに疲れて壊れたり逃げてしまうため、振り出しから再度、軽いモラハラを試してみて相手を探す。
人生でずっとそんな人間関係を繰り返してきています。
本人にとってモラハラはコミュニケーション手段であり、罪悪感がないため、自分は被害者という認識でいます。
「自分は悪くないのに相手が怒って去って行った」
「相手が感情的で意味もなくキツく当たられた」
こんなエピソードを語る相手には気を付けて下さい。
そんな人の過去エピソードには、確実にモラハラが存在しています。
2/ 外では良い人、内では加害者の二面性
モラハラ者の行動パターンは、終始一貫しています。
外では良い人、内ではモラハラ者という、二面性の顔を持ちます。
自己愛を満たしたいという最終目的のために、外では社会的に人格的に、理想の顔を装うことができます。
しかし仮面を被って体面を保つには限界があるため、裏で本性を出して、意のままに操れる相手が必要です。
従属させた相手から、色々と搾取して自己愛を満たし、陶酔感を得て、外向けの良い顔をし続けるのです。
よくある話で、モラハラを拒否したら良い関係になった、モラハラ者も自分を変えることができるのではないか?
という話がありますがそれは大きな間違いです。
前述した二面性を鑑みると、ターゲットから外れただけで、その裏では別に、ターゲットにされた人間がいるというだけです。
モラハラ者の人間関係は、モラハラに依存していますから、自分が外れたなら、代わりの誰かが被害を受けています。
モラハラ者と距離を置いたら良い関係になれたからと、関係を戻すのは危険な行為であると認識してください。
モラハラ者の裏の顔がなくなることはありません。
3/ モラハラ者に最後に残るのは家族だけ
モラハラ者が他人にモラハラをするとどうなるのか?
多くの人は自分を守るために、最後は逃げ出すでしょう。
モラハラを許せなければ訴えることもあるでしょうし、社会的に問題にされると困るのはモラハラ者です。
彼らの人間関係は常に刹那的で破滅的になります。
他人だからこそ繋がって切られてが容易であり、同じ行動パターンからモラハラを繰り返します。
年齢を重ねるとパターンが雑になりますから、関係破壊による双方のダメージが大きくなります。
モラハラ者にとって最終的に残るのは家族です。
簡単に縁を切れない関係に依存するようになります。
特に親子関係で親からモラハラ被害を受けた子は、親に認められたい思いを生涯持ち続けますから、親と子それぞれの執着と依存が悪影響を及ぼします。
4/ 離れた後に縁を繋いでいてはいけない
夫婦関係でモラハラ被害から離婚をした場合は、間に子供がいる場合などは特に、モラハラ者と完全に縁を切ることが難しくなります。
離婚後に物理的距離を置くことで、モラハラ者との関係性が改善することがありますが、モラハラのターゲットがすり替わるだけなので、再度距離を縮めると矛先が自分へ向くことがあります。
完全に縁を切ることが出来なければ、再度ターゲットにされないように十分用心しましょう。
モラハラ者は基本来るものは拒まず去る者は負わずです。
これを口癖にしているような人物には要注意です。
5/ モラハラ者に変容を求めるのは無理と諦めて
モラハラ者の中には、人間関係が上手くいかずに悩み、自分の加害性に気が付いて改めようとする者もいます。
しかしそれは自分の過去を否定することになるため、自己肯定感が低いモラハラ者がそれを受け入れることは、大きな苦しみを感じるためかなりの困難が伴います。
周囲がモラハラ者を否定して止めさせたところで、モラハラ者は隠れてモラハラをするようになるだけです。
自ら変わりたいと希望しない限り変わることはありません。
性格形成された大人の行動パターンは捨てられないのです。
■モラハラ被害者の依存が問題を悪化させている
「モラハラ者から被害を受けていても離れられない」
「モラハラを直してくれたら問題は解決するのに」
「この人には私しかいないのだから逃げるのは罪だ」
「私しかワガママを受け止められる人はいない」
このように、自分よりモラハラ者を優先する思考が、モラハラ被害をより深刻な状況にさせています。
モラハラ者の執着や依存と同じように、被害者の執着や依存が問題を大きくさせています。
そもそもモラハラ者は、そのような相手に依存します。
依存体質な被害者は、元々自己肯定感が低いため、安心を得るために、相手を利用することが多いです。
「相手が喜んでくれたから自分は大丈夫なんだ」
「相手のために自分を犠牲にしてでも頑張ろう」
このような相手への依存が強い思考が災いして、モラハラ者のターゲットにされ被害に遭うのです。
例えばモラハラ者がギャンブル依存症だった場合、ギャンブル依存症を作り出しているのは、実は依存体質な被害者であるとも言われています。
モラハラ者自身にギャンブル依存の原因があるのに、自分が支えるべきと何度もお金を貸し続けてしまい、ギャンブル依存のループを自ら作ってしまうという構図です。
被害依存体質の人は頼りにされることに喜びを感じます。
人の役に立つことや誰かに頼りにされることで、自分の存在意義を見出し肯定感を満たそうとします。
モラハラ者は相手への執着心や依存心が強く、自分に対して自らを滅して尽くしてくれる人や、自分の希望を無条件で叶えてくれる人に依存します。
このような関係性から、依存体質の被害者と依存体質のモラハラ者は、引き寄せ合い共鳴するのです。
そもそも被害者が依存体質でなければ、相手がモラハラ者だと分かった時点で、離婚や縁を切って距離を置くことは簡単なはずなのです。
モラハラの相談を受けていると、モラハラ者から離れられない被害者の依存が、大きな問題であると感じる事例が多くあります。
本質を見ずに、モラハラ者への不満を前面に出して、モラハラ者が変わるべきと決めつけてしまいがちです。
モラハラが辛いからモラハラ体質を直してほしい、モラハラ者の問題だと考えている被害者の方は、まず自身の依存に目を向けてみる必要があるでしょう。
あなたの執着はどこから来ているのかを知るべきです。
そしてまず自分の心を大切にできない人間が、周りの人間を大切にはできないと理解しましょう。