これから述べる喪失体験とは「愛する者を失う」という悲しみのことです。
失ってしまった悲しみが辛過ぎて、再び誰かを愛することを怖いと感じてしまう。
再び愛する気持ちを持つことが出来ず、モノクロで無機質な人生がつまらなくなります。
失ってしまった心を癒やすことで、再び自分らしく素直な人生を取り戻したい。
そう思いながらも先へ進めず二の足を踏んでしまう、そのような方が意外と多いと感じています。
人生を生きていて辛い出来事とは何でしょうか。
愛する人を失ってしまうという喪失体験ほど、辛くて悲しいものはないでしょうか。
それでも人間は、愛する者や大切な物を「失う」という、辛い体験を避けて通ることは出来ません。
人生を重ねれば重ねるほど、私達は愛する者と出会いと別れを繰り返します。
「別離」に直面し悲しみを体験しながら、その都度辛さを乗り越える強さを求められます。
どのような「別離」であったとしても、乗り越えるのはたやすいことではありません。
目 次
1.辛さの分だけ愛した歴史がある
生活の中で人は無意識的に、様々なものに気持ちを掛けています。
恋人関係、家族関係、友人関係、ペットなど。
お気に入りの物、プレゼントなど。
人はそれぞれにオリジナルがあります。
特別な存在が出来ると、それが人であっても物であっても、何より代えがたいものとなります。
その人の心の1ピースなのです。
それだけに、大切な存在との別れ。
死別はもちろんのことですが、離婚や恋人との別れは、身を引き裂かれるくらい、辛く苦しい気持ちになるでしょう。
そんな喪失体験で、そこに寄せていた自分の愛情の行き場を失ってしまうため、心の1ピースを喪失したように感じてしまうのです。
喪失体験とは、パートナーの死など、生活が激変するようなものから、お気に入りの時計が壊れたなど、軽微な影響で済むものがあります。
どの場合でも「二度と愛せなくなってしまった」という、辛く悲しい思いが残るものです。
そう考えると人は、愛なしでは生きにくい生き物なのかもしれません。
2.愛せなくなるのは辛いから、愛すことを止める
人は喪失体験を何度も経験すると、苦しみを二度と経験したくない、そんな思いから愛すること自体を避けるようになっていきます。
また失ってしまうくらいなら、愛さなければ失わずに済む。
そんな思いから、人にも物にも関心を持たないようになります。
果たしてそれが、良い人生と言えるのでしょうか?
それが自分の本心だと、自分の心に偽りなく言えるのでしょうか?
普段の社会生活の中では、大人として普通にふるまってはいても。
集団から離れてひとりになったとき、寂しさと苦しさで心が傷ついてはいませんか?
見える風景が無機質でモノクロに見えていませんか?
愛することを封印してしまうと、日々役割をこなすだけになり、楽しみもなく心が疲れてしまうでしょう。
愛することに恐れを抱くと、ただ愛されることを待つようになります。
そのような依存状態では、いつまで待っても愛の機会は巡ってこないでしょう。
人は誰かに愛されたいし、誰かを愛したいと思って生きています。
しかし愛を恐れるあまり、自分は愛される価値がない、そう自虐的に思い込んでしまいます。
愛することを避けていると、周りの人も同じだと思い込みがちなため、周りから愛情をかけられても、それに気が付くことが出来ません。
3.喪失体験を乗り越えて愛を取り戻す
喪失体験とは、愛する者を失う悲しみです。
愛が怖くて愛を避けてしまうと、愛を信じていた自分の心まで否定してしまいます。
二度と失いたくない気持ちから、自分の心の扉を閉じてしまうと、あなたが持つ魅力的な心まで、自ら封印することになるのです。
人は誰でも人生の過程で、幾度もの喪失体験を乗り越えるたび、様々なトラウマを抱えたり、失敗を避けるためのルールを作るものです。
心の傷を引きずり続けてしまい、恋愛に消極的になることで、モノクロの人生に感じているなら。
一度きりのあなたの人生、勿体なくはありませんか?
失敗や喪失体験を恐れるあまり、視野や心を閉じてしまっては、いつまでも現状から抜け出すことは出来ません。
「愛されない」のではありません。
愛することに恐れを抱くあまり、愛を受け取れないだけなのです。
すぐそこにある愛に、気が付かないだけなのです。
喪失体験を癒すのは、誰でもないあなた自身です。
良かったことも悪かったことも、全てあなた自身の糧であると、自分自身を認めてあげること。
自分のすべてを認めなければ、人を認めることなど出来ません。
人を認めてあげれば、自分も認めてもらえる。
そうして信頼関係は構築されていきます。
良い循環を引き寄せるために、自分ができることは何か。
思考をどのように変えていくのか。
自分に向き合うためにはどのようにしたらよいのか。
一人では考えられないことも、二人なら可能なことがあります。
負のスパイラルの中で、ひとり苦しみ続けずに、いつでも助けを求めてください。
どうしたら、あなたの心が少しでも穏やかになれるのか。
過去を受け入れて前を向けるのか。
一緒に少しずつ考えていきましょう。