依存心と自立心
ご相談を受けていると、「不安に駆られるより、今の不幸せの方が、色々考えると楽な気がする」という訴えを多く聞く。
もちろん今の不幸には耐えられないし、辛い毎日だと感じる。
夫は無気力でロクに働かず、寧ろ浮気までしている始末。
気丈な妻の健気な頑張りだけで維持されている家庭。
どうにかこの現実を変えたくて、相談者はお金をかけて相談に来ている。
結論、サッサと別れたら良いだけである。最適解はそれ以外にない。
しかし愚痴が溢れ出すだけで、その先へはなかなか進めない。
どんな不幸に置かれていても、離婚して独りになる不安や、見えない先行きよりは良い、という落とし所にハマる。
「不幸か?幸せか?」の問題ではなく、「不安か?安心か?」の観点に落ちるのだ。
不幸と不安を天秤にかけたとき、人は不幸を選び易い。
これは対抗欲求の恐ろしさだ。
対抗欲求とは、楽をしたい、不快を避けたいという目の前の心理に対して働く本能である。