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ハラスメントは自ら迷い込んだ闇

SnapShot(9)

ハラスメントには色々あるが根本は同じ

ハラスメントには複数の定義があります。

パワハラ・セクハラ・モラハラ・身体的DV・パートナーの浮気や経済的圧迫も、立派なハラスメントの一つです。

最近ではフキハラ(不機嫌な態度を取る)という言葉まで出てきました。

ハラスメントの定義は、身体的DVを除いて受けた者の感覚にも因るため、定義が確定しているわけではありません。

しかし、それを受けている者が、それにより精神的苦痛を受けていて、

その結果、精神的ダメージを負ったのであれば、それはハラスメント被害として認定されることでしょう。

これらのカウンセリングを受けていると、特に目立つ傾向として、

『相談者はかつてどの恋愛でも、同じようなハラスメントを受けて破局してきた』

『常にハラスメント被害者となってしまう』

という部分です。

何故、相談者はいつもどの恋愛でも、ハラスメント被害を受けてしまうのでしょうか?

ご相談の一例を挙げてみましょう。

ハラスメントを我慢してでも守りたい自分の居場所

結婚してすぐに、夫からハラスメントを受けるようになった。

高圧的な態度や隠れた浮気が収まらない。

しかし、離婚をほのめかされるのが怖いので、強く抗議できない。

最近では夫から無視されていて、日常会話もなく、完全に家庭内別居状態である。

考えてみると、結婚前までの恋愛関係も、破局原因は全て同じ理由だったことに気が付いた。

いつも、自分は裏切られて捨てられる。

だからこの結婚では捨てられたくない。

今の状態で夫が改心し、夫婦として再構築するにはどうしたらよいのか?

人を変えるより自分を変える

以上の事例の場合、カウンセラー視点で見ると、大きな問題点が二つあると思います。

一つ目は
『結婚後すぐに夫からハラスメントを受けるようになった』

これはハラスメント相談で、最も多く聞かれる傾向です。

二つ目は
『夫が改心し夫婦として再構築するにはどうしたらよいか』

これは妻の望みが、ハラスメントから逃れることではなく、夫が自分の望む通りになってくれることを表しています。

もっと掘り下げて聞いてみると…、

恋愛中から夫に対してずっと我慢があったが、結婚して絆が強くなれば変わってくれる。

自分が我慢すれば上手くいくと思っていた。

我慢という努力はいつかきっと報われるはず。

このように根拠のない期待を抱き、変わるべきは自分ではなく相手なのだ。

と考える傾向が強いという点です。

その大きな要因のひとつとして、妻の自己肯定感の低さが影響しています。

生育歴において何らかの形で、自分に自信が持てなくなってしまったのか。

若しくは、度重なる恋愛の失敗から、ますます自己肯定感が低くなるスパイラルなど。

事例は様々ですが根本はこの形が殆どです。

そこに目をつけるのが、ハラスメントを働く人間たちです。

自分が上に立てる相手を嗅ぎ分け、最初から優位を見極めた上で距離を縮めてきます。

比較的コントロールが容易で、常に自分の支配下に置く事が出来る相手。

これが、ハラスメントを働く人間が相手に求める条件であり、

経験からどの人間にどのように接すれば、自分の思う通りに進められるのかを、無意識的に知っているのです。

前述の相談事例の場合。

問題点の一つ目として挙げた、

『結婚してすぐにハラスメントを受けるようになった』

という部分。

最初は、どのように接すれば妻を懐柔出来るのか、

夫は経験に基づいてマニュアル通りに接するため、妻は『理想の男性が現れた』と、

自分のこれまでの苦労が報われたと考えてしまいます。

我慢すれば良い出会いに恵まれるのだと、自分に自信を持ててくるのが交際初期です。

しかしその後、夫は徐々に本性を表していきます。

様々なハラスメント行為をもって妻を試すのです。

意見の相違での不機嫌ハラスメント(無視をする)

議論が出来ない(拒否をする)

極論で追い詰める(相手を引かせる)

高圧的な物言いや態度(圧力をかける)

果てにはこの段階で身体的DV(暴力)や、精神的DV(浮気)に及ぶ人間もいます。

妻からすると、自分の理想の相手と思っていた夫が、掌を返したような態度をとったことに驚いてしまうでしょう。

その原因は何かということよりも、自分が怒らせたことで、

追いつめられていると思い込み、怒られた結果しか考えられなくなります。

それは自分が信じた相手に掌を返されたという、ショックからそうなってしまうのもやむを得ません。

『また自分は裏切られてしまうのか?』

この思いが考えることを拒否してしまうのでしょう。

優しかった夫を信じたいし、自分自身を否定したくないし嫌われたくない。

その心理から、夫が理不尽を働いても、受け入れてしまうのです。

夫から受ける理不尽な行為より、自分の居場所を失う怖さの方が上回るのでしょう。

もちろん夫は、そんな妻の心理を完全に見切っています。

その流れに落とし込めることを、最初から分かってやっているのです。

このように、人を取り込んでは裏切ってきたのが、このタイプの性格傾向です。

洗脳や支配的なやり方でしか、コミュニケーションが取れない人間は、巷には普通にいます。

その背景には、その人間の生育歴に闇があるとみて間違いないでしょう。

しかし、過去がいくら不遇だったからといって、人を傷つけてよい理由にはなりません。

自分が辛い人生を送ってきたからといって、人を利用したり支配したり苦しめていいはずはありません。

次に問題の二つ目として挙げた、

『夫が改心し夫婦として再構築をするにはどうしたらよいか?』という部分。

我慢してきた妻が限界を超えたとき、『変わるべきは夫である』としている点です。

そもそも、夫が歩んできた人生で形成された性格傾向は、100%変わることはありません。

それはこの夫婦だけではなく、人間誰にでも同じことが言えるでしょう。

例えば本人が自分を省みて、性格を改めたいと強い意思をもって臨むならば、可能性がゼロではありません。

しかし、改めたいと思わない人に、いくら性格を改めてと言っても、ただトラブルになるだけです。

妻自身、自分を変えられないように、夫に変わってもらうことなど、所詮不可能と思ってください。

ここを大きく捉え違いする人は多いように感じます。

自分が変われないのに、人を変えようと思う裏には、

自分が正しく相手が間違えているという思い込みがあるのでしょう。

正しいか正しくないかという尺度は、一般で通用しても、個人間に通用するものではないからです。

自分が我慢できなくなって限界に達したのならば、夫を変わらせるのではなく、妻自身が変わらなければなりません。

しかし、妻は自分が変わる決断がつきません。

それは『また一人になってしまう』という怖さが先に立ってしまうから。

妻が恐れているのは、夫のハラスメントでもなく、支配でもなかったのです。

妻に必要なアドバイスをまとめると、

自分の居場所を手放す。

自分の選択が間違えていたことを受け入れる。

相手の変化を期待しない。

自分が変われないのに、相手に変わることを求めない。

夫が改めるのか否かは夫自身の問題であり、妻の問題ではないからです。

ここを間違えてしまうと、再び過ちを繰り返すことになるかもしれません。

また、諦めた妻が離婚へ進めようとすると、それを察知した夫が態度を翻すことがあります。

妻という依存先を繋ぎ止めるため、それまでとは180度変えた優しい態度を取ってくるのです。

夫はどうしたら妻を繋ぎ止めておけるのか、その方法を熟知しています。

夫が翻意するのを見て、『変わってくれた』と勘違いをしてしまい、再び元に戻ってしまう妻もいます。

それは先に述べた通り、妻自身が夫という依存先を失いたくないという気持ちが全てだからでしょう。

ハラスメントやDV被害における、『ハネムーン期』『蓄積期』『爆発期』というサイクルの通りです。

そんな負のサイクルを繰り返していくと、

お互いの傷が修復不可能にまで広がってしまい、最終的には関係の完全崩壊に至ることも少なくありません。

この結論がタイトルにある通り、

『ハラスメントは自らが招き入れた闇』と言えるわけです。

親の煮え切れない姿を見て毒親育ちになる

また、夫婦に子供がいた場合は、問題が更に深刻化します。

両親の争いを目の当たりにした子供は、アダルトチルドレン(毒親育ち)となるからです。

子供は、両親のようにはなりたくないと思いながらも、独立後、両親と似た道を歩むケースが多くあります。

こうして不幸の連鎖は連綿と続いていくことになります…。

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