離婚は人生最大のストレッサー
夫・40歳、専門職
妻・32歳、専業主婦
子・8歳♀、6歳♂
婚姻期間10年を経て、妻から離婚申し立て、夫婦関係調整調停から審判を経て離婚。
慰謝料無し、財産分与あり、養育費あり。
とある女性の経験談となります。長文になりますが、ご容赦ください。
妻が大学卒業と同時に同棲から結婚。一年後に第一子が生まれました。
夫は専門職で、昼夜を問わない勤務形態です。
妻は専門資格取得のため通学をしながら、専業主婦として家庭を支えていました。
結婚生活を過ごしていくうちに、妻は精神的に夫を頼らなくなっていきます。
夫の仕事が拡がっていくに連れて、夫は妻に仕事のサポートを求めるようになりました。
妻はサポートに応じているうち、夫の仕事関係の女性達から、悪意ある言動を掛けられるようになったのです。
その女性達が夫の不倫相手であったことに、妻は離婚寸前になってやっと気が付くのでした。
夫は野心家で、組織の中で上を目指すことを目的に仕事をするような人です。
やがて仕事で名が売れるようになり、組織内部でも一目置かれる存在となったことで、
夫の我が道を突き進むスタイルに拍車が掛かっていきます。
家事と子育てに忙しかった妻は、自分が結婚で断念せざるを得なかった世界での夫の成功に、
自分を投影して我がことのように喜んでいたところがありました。
夫にとっての家庭とは、対外的な見栄えのための道具といっても過言ではないくらい、
理想の家庭像を妻に求めていたのです。
職場の人間や接待先の客を家に招いてのホームパーティー、学会出席の際の伴侶役など。
その際に妻の不手際があると、夫は妻に辛辣な言葉を浴びせることも少なくありませんでした。
そんなことが度重なるたび、
妻は夫のアクセサリーにされているのではないかと、不満を感じることが多くなります。
たとえそうだとしても、妻に対して思いやる気持ちを掛けてくれていたら、
妻の不満が募ることはなかったのかもしれません。
妻が病気をして夫に助けを求めても、放置されることがあたりまえだったことも、
妻が夫へ不信感を募らせる原因のひとつだったのでしょう。
そんな折、夫の仕事が最高潮に達したとき、夫は組織で対立する人間によって、足元をすくわれてしまいます。
夫が築き上げた牙城は、砂のように脆くも崩れ去ってしまったのです。
その日を境にして、夫の奇行が目に付くようになるのでした。
職場で無気力になってしまい、まるで仕事にならず、人目をはばからず、デスクで寝ることが多くなっていた夫。
日中、担当していた講義を抜け出して、職場の女性とラブホテルへ入り浸るようになります。
そんな夫の様子を、夫の同僚から報告を受けていた妻。
ある日、同僚と共に夫の後をつけ、夫と不倫相手がラブホテルに入っていくところを目撃してしまいました。
夫が勤務していた施設のインターン生と不倫をし、帰宅が午前3時を回ることもしばしば。
出張先では、妻に伝えていた宿泊先を変えて、不倫関係にあった別の女性と宿泊していたことも。
出先にいた夫に頼まれて、職場の夫のデスクで書類を探していると、夫と女性の行為中の写真が数十枚も出てきたり。
しかも、写真に映っていた女性は、全て異なる女性だったことに、怒りより驚愕しかありませんでした。
以前から、夫の行動が怪しいことは知っていましたが、
その行動がドンドン大胆に、あからさまになっていったのです。
一方で、夫婦は結婚当初からそれまで、セックスがない日は皆無なくらいでした。
夫の不貞が確実なものになってから、妻は当然セックスを断わっていましたが、
夫は強引に愛のないセックスを妻に強制したのです。
時には妻を騙して、夫の友人夫婦とのスワッピングセックスに妻を巻き込むこともありました。
そうです、妻は夫に体を売られたのです。
当然、妻はただ、夫の欲望に耐えるだけの日々となり、次第にメンタルが荒んでいくのでした。
妻は、夫の不貞の証拠を握っていましたが、
夫のメンタルが荒れている状況で、証拠を突き付けて不貞を指摘することができません。
理由は、まだ子供が幼かったことと、
妻の実家は遠く、自分の居場所が失われる怖さが先に立ってしまったからです。
妻の精神的・経済的自立が急がれる状況でしたが、
資格は取得していても、それを形にすることは簡単なことではありません。
そんなとき、それまでの生活が一変してしまうような、決定的な事件が起こってしまいました。
夫が、職場で対立関係にあった人間を中傷してしまったのです。
夫の人間性が決定的となった行為でした。
このことで、夫は上司から職を辞するよう勧告されてしまいます。
妻は、夫が一からやり直す良いチャンスと考えて、夫の転職に適した施設へ入職を打診しました。
先方からは是非にと快諾を受けたため、妻は夫に、夫婦のやり直しと転職を進言してみたところ…。
夫から発せられた言葉は
「行きたければおまえ一人で行け。情報が遅い田舎で何年も暮らすつもりはない。」
きっと夫からしたら、要らぬお節介だったのかもしれませんし、
なによりプライドを踏みにじられた思いだったのでしょう。
そんな言葉を浴びせられても仕方ないのかもしれませんが、
妻にとってはこの夫の一言が決定打となってしまい、結婚生活にピリオドを打つ決心を固めたのでした。
◆◆◆離婚協議から夫婦関係調整調停へ ~Vol.2へ続く~