28歳女性・独身
35歳男性・既婚妻子あり
不倫恋愛二年目
■不倫相手の妻が妊娠したからと別れ話をされてしまった
ご相談者は28歳の独身女性です。
不倫相手の35歳の彼とは職場の上司と部下の関係。
2年前に出張先で肉体関係となり、以降不倫関係を継続してきました。
二年前の出張先で彼の方から猛アタックを受けた彼女。
その際に彼は「妻と離婚前提で別居中だから離婚したら結婚しよう」と言われ、
その言葉を信じて不倫を受け入れたのでした。
思うようにデートできることもありませんでしたし、
会話もLINEメッセージが殆どで彼女にとっては楽しい恋愛ではありませんでした。
それでも彼の言葉を胸に信じてひとり耐え忍んできたのです。
ある日彼の口から突然信じられない言葉を聞くことになります。
「妻が妊娠した」という告白に彼女の目の前は真っ暗になりました。
離婚協議中で家庭内別居していたと聞いていたのに何故?
彼を信じてきた彼女にとってまさに青天の霹靂です。
妻の妊娠を突然告白されただけではなく、
次に彼は彼女との不倫関係を終わりにしたいと切り出してきたのです。
妻との間に出来た子供を捨てることはできないないそうです。
子供を捨てられないのは彼女も当然理解出来ました。
しかし理解出来ないのは夫婦が離婚前提で家庭内別居中であり、
彼女との不倫も継続中だったのに何故妻を妊娠させたのだろうかということ。
それを考えるととんでもない裏切りを受けたとしか思えず、
その彼の方から不倫関係を解消しましょうと言われて、
二つ返事で許し受け入れる気持ちになれないのも当然でしょう。
■信じていた彼女の気持ちを裏切った彼
別れ話をされて以降ショックで会社へ行くことも出来ず、
食事も喉を通らず人間不信に陥ってしまい辛い毎日を過ごしていた彼女。
これを不倫の代償だと第三者が言うのは簡単ですが、
裏切りを受けた当事者にとっては大きなショックでしょうし、
人間不信に陥ってもおかしくありません。
なぜなら彼女は我慢をして彼を受け入れ続けてきたのだから。
家庭内別居といえども夫婦なのだから子供が出来るのは当然?
不倫をしていた身でショックで人間不信だなんてとんでもない勘違い?
そんなことは絶対にありません。
何故ならば彼は自分から積極的に不倫関係を持ちかけていましたし、
離婚協議中であり彼女しか愛する人間はいないから信じて欲しいと、
だから離婚まで我慢して欲しい、離婚後は再婚をしようとはっきり伝えていたのですから。
彼の切実な思いを聞き、彼を心の底から愛していたからこそ。
保証は無くとも彼の言葉を受け入れて不倫といういばらの道を歩んできたのです。
そんな彼女に無情な別れを告げた彼。
そんな仕打ちを受けるだけの落ち度が彼女にはあったのでしょうか。
性格的に合わなくてやっぱり関係を解消しようならばまだ救いはありました。
しかし彼の妻が彼の子供を妊娠したなんて。
彼女がとてつもない大きなショックを受けるのは当然です。
不倫をしていたから当然の報いなのだ、
自分の行いが間違っていたのだと自己否定する必要は全くありません。
反省するべきは彼ひとりです。
極めて一方的で快楽のために二人の女性を翻弄したのですから。
彼の行動は断じて許されざるべきものです。
妻と彼女を両天秤にかけ自分が居心地のよいところだけをつまみ食いし、
相手が面倒になれば切って捨てるといった共感性のなさ。
あとから分かったことですが、彼は彼女のほかにも同時期に不倫相手がいたそうです。
自己愛が強く自己肯定感を埋めるための都合よいモノが不倫相手だったということでしょう。
■自分を大切にしてくれる相手を探そう
しかし冷静に考えてみましょう。
これは人生の良い転機ではないかと思うのです。
彼の妻が妊娠して彼が妻と子供を取ったということは、
確かにショッキングで辛く悲しい出来事であったでしょう。
しかしこれは間違いなく不倫を清算する絶好の機会になったのです。
また信じて疑わなかった彼の本性を知ることも出来たのですから。
これをきっかけに彼の希望通り不倫関係を清算し、
不倫を終わらせるのは彼女にとって非常に有益です。
彼から一方的に別れを通告されたのは非常に悔しいのは理解しますが、
そこは自分を守るためだったと考え方を改めてみましょう。
もしも彼が本性を隠したまま彼女と再婚していたとしたら・・・
今度は彼女が妻の二の舞になったかもしれません。
共感性が欠如した自己愛の強い人間の性根は死ぬまで変わることはありません。
そもそも彼は本当に彼女との縁を切れるのでしょうか?
彼は妻との間に子供が出来たから不倫を終わらせると言っていますが、
そもそも普通の人間はパートナーがいる時点で不倫はしないのです。
それに妻が妊娠したからといって妻への愛情が増すわけでもなければ、
彼女への気持ちが完全に無くなるわけでもないでしょう。
ただ家に妊娠中の妻がいるというだけで状況は何も変わらないのです。
彼の邪な気持ちは遅かれ早かれ再び復活してくることでしょう。
妊娠というきっかけがあったから元の鞘に戻っただけですから。
離婚寸前だった妻との関係性が完全復活したわけではないのです。
コミュニケーション不足に耐えられないからと、
心の不足を埋めるために平気で相手を弄ぶ不倫をする人間は、
子供がいようがいまいがいずれまた同じように不倫に走るでしょう。
埋めても埋めきれない自己愛を満たそうと手当たり次第に不倫をしますから。
そう考えると別れても彼女との関係を捨てきれなかった彼が、
再度彼女にコンタクトを取ってくる可能性は充分にあると考えます。
その時に果たして彼女はキッパリと彼を拒否出来るでしょうか?
再び彼が彼女にコンタクトを取ってきたとき。
その時彼女がそのことをどう受け取るのか。
それが一番気掛かりです。
この別れを彼女にとって自分の進むべき道を見つめ直すいい機会にして欲しいと思います。
カウンセリングでは考えられる様々な可能性に対し、
どう考えてどう心構えをしていったらよいのか、
どう処理していくのかを様々な角度から一緒に考えてシミュレーションしていきます。
こうしましょうこうしなさいは決して申しません。
考えられる選択肢の中から選択し決断をするのはご相談者さまご本人です。
どんな決断をしようともそこにお悩みがある以上、
ご相談者の立場に立ち最大限のフォローをさせて頂くのがカウンセラーの役割です。