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浮気を繰り返す夫との修復

妻・30歳

夫・29歳

子供なし、結婚4年目

■咎められても止められない異常な浮気癖

結婚2年目辺りから夫の言動に怪しさを感じるようになり、

夫が寝ている隙に夫のスマホをチェックしてみたところ、

複数の浮気の証拠を発見してしまった妻。

 

怒りに打ち震えて浮気の証拠を夫に突き付け問い詰めたところ、

意外にも夫はあっさりと浮気を認めました。

しかしそれは既に過去の関係であり、現在は別れていると説明されました。

 

初めての浮気ということもあって妻は夫を信用することにしましたが、

それから程なくしてまた怪しい言動が出てくるようになり、

再びスマホをチェックしてみたところ、またもや浮気の証拠を見つけてしまいました。

 

妻がどういうことなのかと夫を問い詰めたところ、

今度は夫が開き直って「妻に不満があるから浮気をした」と逆切れしてきたそうです。

続けて夫は「浮気を止めない、浮気が嫌ならば離婚する」とまで言い出しました。

 

浮気をした相手から離婚を突きつけられるとは妻にとって青天の霹靂でした。

 

最初妻は離婚を考えていませんでしたが、

今後も夫の一挙手一投足を疑った目で見てしまう自分に嫌気がさしてしまいそうで、

離婚を受け入れたほうがよいのか悩んでいました。

 

その気持ちの壁が夫にも伝わっているようで、

夫が自分から離れていっているのが分かるし、

この悪循環を切るべきか継続していくべきかというご相談でした。

 

 

浮気は「不足を補いたい」気持ちから

一般的に浮気の原因は「不足原則」が影響していると考えられています。

理想的な愛情だったりコミュニケーションだったり、

セックスレスが原因になることが多いのはまさにこの理由からでしょう。

 

それとは別に浮気を繰り返す人の心理には「親密感への怖れ」があり、

これが影響している場合があると言われます。

 

親密感への怖れと表裏一体なのは罪悪感です。

自分が悪いから上手くいかない、

自分はダメな人間なのだという罪悪感が深層心理の中にあると、

相手との心の距離を縮めるのが怖くなってしまいます。

 

過去に人間関係で失敗している経験が多かったことが影響しているのでしょう。

 

自己愛が強く「自分がダメだと思われたくない」のですが、

元々自己肯定感が低いため傷つくことを恐れている部分もありますし、

共感性が低いため、コミュニケーションが上手くいかない理由が分からないことも原因しています。

 

そのため自分の欲求を満たす以外で距離を縮めようとせず、

面倒な感情のやり取りになると、一方的に距離を置く姿勢を取ります。

 

そのスタンスが受容出来ない相手とは当然関係が長続きしませんから、

浮気も手あたり次第とっかえひっかえを繰り返すようになるのです。

 

パートナーに素直に愛情を求めたくても、

どう求めたらよいのか分からないという葛藤を抱えているため、

手っ取り早く別の誰かを求めようとするのでしょう。

 

浮気相手ならば「悪くてダメな自分」が知れてたとしても、

面倒になれば別れたらおしまいなので、

浮気相手には気負うことなく自分をさらけ出す傾向にあります。

 

都合良く使える浮気相手ならば、

関係を深く持たない分関係性が楽でもあるため、

親密になるまでの短い期間のみを楽しんで浮気を繰り返します。

浮気をする本人は相手をモノとしか考えていないため、

浮気に対する罪悪感は一切ありません。

 

浮気をされた側はとかく、

「私に魅力がないから」

「私が悪いから浮気をされた」という自己否定に陥りがちです。

 

浮気をされてしまうとどれだけ相手が悪くても、

上手くいかなかった自分を責めてしまうものなのです。

自分を責めて思い悩む妻からしてみたら、夫は到底理解出来ない人間でしょう。

 

またこのような人間は、

相手が自分の言動によって悩んだり苦しんだりしているのをみると、

自己愛を傷つけられることを恐れて、面倒を避けるように離れていきます。

 

原因を作った人間が悩み苦しむ人間を避けるなど普通あり得ないと考えますが、

自己愛が強い人間は「自分」のことしか考えられないため、

平気で見て見ぬふりをしたりそれを理由にして浮気を繰り返したりするのです。

 

このような性質を持つパートナーの場合は、

自分を責めて悩む前に、相手の思考を理解することで自分の心に余裕を作り、

相手との関わりの形を変えていくことが、関係修復へ繋がる近道かもしれません。

 

 

素直になれなかったのは自分かもしれない

前述した「親密感への怖れ」

これは相手だけが持っていると考えず、自分も持っているのではないかと、

自らにも問いかけてみましょう。

 

親密感への怖れがある相手を選んだ理由。

もしかしたら自分と似た部分を感じたからかもしれませんし、

分かり合えそうだと思ったのかもしれません。

 

その心理を解消するためにまず自らの心の中を知り、

自らを徐々に修正していく意識が大切です。

 

相手を変えることはかなり難しいものですが、

自分の意識は自らの気持ちで変えることは難しくありません。

 

 

■独りよがりで頑張ってはいけない

相手との関係性に悩んでしまった時についやってしまいがちな行動。

ダメな自分を取り繕うように自立した自分を演出してしまうことです。

 

ここでいう自立とは

「まず自分が我慢する」

「相手に弱音を吐かない」

「なんでも一人でやってしまう」

相手から良い人と思われるように頑張り過ぎてしまうのです。

 

また、自分一人で生きていけば誰にも傷つけられませんし、

誰にも迷惑を掛けることがないと考えることで、

敢えて独り突っ走って生きている可能性はありませんか?

 

それがたとえ優しさや愛情からであれ、何でも一人で頑張ってしまうと、

相手からしたら「頼りにされてない」「役に立っていない」という思いを抱いてしまったり、

却って寂しさすら感じさせてしまうかもしれません。

 

 

■自分を褒めて認めてあげること

自分がこれまでどれだけ頑張ってきたのか、弱音を吐かず耐えてきたのか。

今までの自分を良いことも悪いことも全て認めてあげて下さい。

 

そして相手に自分の弱音を吐露する練習をしましょう。

 

弱音を吐かれて頭ごなしに突き放す人はいません。

感情的にならず丁寧に自分の弱さをさらけ出してみることです。

 

すると相手も自分の弱さを出しても構わないのだという安心と共感を得ます。

あなたを受け止めながら自分の気持ちも徐々に開示してくれるかもしれません。

 

お互いの素直な弱さを知り受容していくことで、

お互いが「自分を理解してくれようとしている」と感じ安心するはずです。

 

ここで大切なことは「私は一人じゃない」「何かあれば聞いてくれる人が居る」

と自分自身に言い聞かせてあげること。

 

これを意識して行動していくことで相手の心も自分の心も次第にオープンになれます。

お互いがこれからどう生きていくのか、二人で幸せになっていくのか、

核心の話へ移行しやすくなると思います。

 

お互いがお互いを理解しようと努力する気持ち。

これが二人の心にぽっかり空いてしまった穴の架け橋となることでしょう。