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結婚後すぐに別居となり離婚に至った夫婦

 

27歳夫・会社員
30歳妻・無職
妊娠9か月
結婚3か月で別居

 

■結婚という「目的」で出会った二人

二人は婚活サロンを通して知り合い意気投合しました。

結婚前提でお付き合いを重ね、交際半年を経て結婚に至りました。

 

そもそも結婚をゴールとしたお付き合いだった為、

お互いの相性を見るためにと夫から結婚前の同棲を持ちかけたのです。

 

妻は同棲に賛成をしてくれましたが妻の親から猛反対されてしまい、

両親に押し切られる形で交際半年で入籍・結婚に至りました。

 

結婚後ほどなくして妻は妊娠します。

しかし生活を共にするうち、交際では見えなかった価値観の相違が違和感となり、

夫婦は常に些細な喧嘩が絶えなくなりました。

 

妻は妊娠中であったことも重なり、体調が優れないことを理由にして、

近所にあった実家へ頻繁に帰省するようになります。

 

そして実家と自宅の往復が頻回となった直後、

妻は遂に夫婦の自宅へ戻ってこなくなりました。

 

夫は別居を認めたわけではなく、妻が一方的に別居を申し出たため、

妻を実家から呼び戻そうとしましたが、その声は妻の心に届くことはありませんでした。

 

 

■妻から一方的な別居と三下り半

別居が始まって夫婦の話し合いの機会も設けられず、そのまま妊娠8か月を過ぎたころ、

妻から離婚を前提に協議をしたい旨の申し出が夫のもとに届きました。

 

どうしたらよいか分からずパニックになった夫は、当サロンにカウンセリングを求めます。

夫は当初、離婚回避と妻との関係再構築に向けたカウンセリングを希望しました。

 

夫は妻を今でも愛していること、子供を一緒に育てていきたいこと。

何故一方的な別居に至ったのか理由が分からず困惑していること。

妻の両親が妻の代理として夫婦の話し合いに入ろうとしていて、

夫は妻の言葉を直接聞く機会がなく、妻の気持ちがよく分からないこと。

自分の両親と妻の両親で話し合いが持たれるも、

両家の感情がこじれて必ず喧嘩になってしまうこと。

 

…ただ、妊娠に至るようなセックスをしていなかったのに、

妻が妊娠したことはどう考えたらよいかとは思う、と話しました。

 

夫の話を聞き、カウンセラーはまず妻側の話を聞くことから始めたいと、

妻にも夫と同様のカウンセリングを受けて頂けるよう、

カウンセラーから妻へ直接連絡を取る旨の了解を夫から得ました。

 

後日カウンセラーから直接妻へ連絡をとったところ、

妻はカウンセリングをいい機会だと快く了解してくれたのです。

 

 

■妻は最初から結婚生活を維持するつもりがなかった

身重の体を押して、妻はカウンセリングサロンにやってきました。

体調には問題がなく、実家での生活はとても充実したものだと話します。

そして妻の離婚への決意の固さと、両親のもとで子供を産み育てていくという、

ブレも揺るぎもない確固たる信念を確認したのです。

 

妻曰く、そもそも夫とは結婚前から合わない点が多かったとのこと。

結婚前に夫から出された「同棲」提案に、夫の気持ちの浅さを感じ愛情が醒めたそうです。

それでも入籍・同居に至ったのは、妻の両親に押されてしまったからと答えました。

結婚は流れを止められなかっただけで、最初から離婚前提で同居したのだと。

 

その中で妊娠をしたのは想定外だったと答える妻。

夫が妻の体を考えたセックスをしなかったから妊娠してしまったが、

せっかく出来た子供なので子供は責任をもって育てたいと話しました。

離婚前提での妊娠だったため、早く別居したくて実家に戻ったそう。

 

この部分で話に食い違いをみせる夫婦でしたがもはや真相はわかりません。。

ただひとつ言えることは、このまま夫婦関係を維持しても、

夫も妻も子供も幸せにはならない、ということです。

 

それを踏まえて、次は夫と妻双方が顔を合わせた夫婦カウンセリングを行いました。

その前に、妻のカウンセリング結果を聞いた夫は苦渋の決断をし離婚の決意を固めます。

夫の気持ちを固めたきっかけは、妻の「最初から離婚前提だった」という言葉だったそうです。

 

夫婦はカウンセリングで双方の気持ちを再確認し、離婚同意から条件協議へ。

 

 

■離婚協議はピリオドを打つための大事な過程

夫婦の婚姻期間は一年弱であり、実際に一緒に暮らしたのはわずか2カ月。

夫婦双方に離婚の過失になり得る決定的な破綻の理由もありません。

 

夫は、妻からの一方的な離婚申立で離婚を受け入れざるを得なかったこと。

夫婦の住居の後処理を夫一人で行うことを考慮して、

居住するマンションの引っ越しや家具の処分など、

必要経費は財産分与とは別に妻側に負担して欲しい旨お願いしました。

 

すると妻は激高し、離婚条件は弁護士を立てて進めると言い出しました。

そして婚姻費用の請求や出産にかかる費用、養育費、慰謝料、

引っ越しに係る諸経費を請求してきたのです。

 

夫からすると、妻からの一方的な離婚申し出を泣く泣く受け入れた形ですから、

金銭的に譲歩を迫られることはどうあっても避けたいところです。

 

止むを得ず、夫も金銭的な問題の解決と協議離婚へ向けて、

カウンセラー提携の弁護士に依頼をし、

離婚合意書作成までを目標とした離婚協議を依頼することとなりました。

 

弁護士同士の度重なる協議の結果、

妻側は「出産前の離婚成立が出来るならば」養育費を請求しないことも含めて、

当初妻が求めてきた全ての金銭的請求の譲歩をすることを約束しました。

 

それに伴い、夫も財産分与の希望を下げ、引っ越しに関する経費負担も持つ形とし、

最終的に双方の希望の折衷案を了承し、夫婦は出産前の離婚成立に至ることが出来ました。

 

 

カウンセリングを経て人生の整理をつけていく

当初、前述したとおり夫の希望は「夫婦関係の再構築」でした。

 

しかしその後に行った妻のカウンセリング時のヒアリングで、

当初から夫に対する生理的な嫌悪感が改善不可能なほど強かったことが明らかとなりました。

 

夫も、妻の「最初から離婚前提だった」という言葉に、

それまで保ってきた妻への気持ちがスッと切れてしまったとのこと。

 

そして妻もまた、これから生まれる子の誕生から将来の全てにおいて、

夫には父として一切関わって欲しくないという決定的な拒絶もありました。

 

夫も妻もまだ若くこれから先が長いのですから、

カウンセラーとしても人生の再出発は早い方がよいと判断するに至りました。

 

そしてお互いにこの結婚生活に禍根を残すことがないように、

条件を含めた気持ちの整理をするためのカウンセリングを重ねていったのです。

 

 

■失敗を失敗とせず如何に今後に活かすのか

残念ながら、カウンセリングは夫の当初の希望を叶えるには至りませんでした。

 

しかし離婚合意書を交わし協議離婚を果たした現在、

彼は気持ちを新たに新生活をスタートさせています。

次の出会いや恋愛へ向けて順調に人生のやり直しを図っている最中です。

 

今後の彼に起こり得る問題として、元妻の心変わりによる子の養育費問題や、

子が「本当に彼の子であるのかどうか」という問題も気になるところでしょう。

特に血縁の問題については戸籍に父として名を刻んでいる以上、

子が死亡するまでは彼に係ってくる問題でもあります。

 

今後も彼と元妻の間に問題が起こる都度、カウンセリング対応する予定であり、

今後も当サロンは彼の良きアドバイザーとしてバックアップしていく所存です。