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単身赴任の夫から突然突きつけられた離婚

 

妻・30歳

夫・35歳

結婚5年目、子供はなし

 

■思いもよらない離婚宣告

妻からのご相談です。

単身赴任2年目の夫から先日突然離婚を切り出されました。

 

これまで離婚に結びつくトラブルもなく普通に過ごしてきたので、

夫からの宣告は青天の霹靂でどうしたらよいか分からず毎日悩んでいます。

 

夫曰く、結婚当初から妻を家族としてしか見れなくなり、

女性として愛しているという気持ちでは無くなってしまったからだと。

 

このまま仮面夫婦として過ごしていかなければならないと考えると耐えられなくなり、

これ以上自分の気持ちを偽れなくなったからなのだそうです。

 

夫婦で何度も話し合いを持ち、その都度妻は夫を引き止めたのですが、

どれだけ話し合っても夫の気持ちを変えることは出来ませんでした。

もう夫婦の修復は難しいと覚悟をし、妻は離婚を受け入れることを伝えたのです。

 

しかしその後も夫は妻の仕事終わりに会社まで迎えに来たり、

外食を一緒にしたり普通にセックスを求めたりしてくるのです。

離婚を切り出される前と同じように接してくることに妻は違和感しかありません。

 

夫の気持ちが分からなくなり、何故そのように接するのかと聞いてみたところ、

離婚を心に決めてはいるが、時々離婚を思い留まろうと考えていることもあると言います。

しかし赴任先に戻り再び一人になって考え直すと、離婚の気持ちしかなくなるそうです。

 

最近分かったことですが、実は今回の離婚話は夫の不倫がきっかけでした。

不倫相手とは既に別れているそうですが、彼女にはまだ未練が残っているとのこと。

 

そんな夫の身勝手に振り回されても、妻は夫を嫌いにはなり切れませんでした。

特に夫から気を持たせる行動をしてこられると、夫婦としてまだ希望があるのではと、

期待をして夫の気持ちが戻るのを待ってしまう自分がいます。

 

■他人軸から自分軸で考えて

単身赴任と浮気は切っても切り離せないワードと言っても過言ではないでしょう。

 

単身赴任中の夫は家族を想う気持ちは人一倍なのですが、

フッと気を抜いた時や家族が傍にいない寂しさを感じた時など、

傍にいてくれる優しい女性にふと心を委ねたくなるものなのかもしれません。

 

夫にとってそんな時に傍にいて癒してくれる女性は女神に見えるのでしょうか。

妻のことをしばし忘れてしまうことがあっても不思議はありません。

 

その逆に単身赴任によってより愛情が深まる夫もたくさん存在します。

離れているからこそ久しぶりに会う新鮮さで逆にマンネリを防ぐことが出来る。

離れているからこそ大切に愛おしく思うことがある部分もあるでしょう。

 

そう考えると単身赴任は夫婦にとっての「踏み絵」なのかもしれません。

 

件の夫は妻と不倫相手との間で悩んでいたことがきっかけだと思われます。

妻を家族としか見れなくなったという言い訳は、浮気をした夫が使う常套句です。

 

夫は妻をどのような存在と感じているのか、

離婚しなければ心がそこになくても良いと考えてはいないか、

不安定な夫の言動に振り回される妻の気持ちをどう考えているのか、

ここは中途半端にせずお互い最後までしっかり話し合うことが重要です。

 

夫の表向きの言動に一喜一憂し、自分の希望に合わせた「思い込み」をやめること。

夫がどう考えているかも大事ですが、まず「自分がどうありたいのか」を考えること。

 

それは夫を愛しているからなのか、自分の今を変えたくないからなのか。

自己保身ではなく、5年10年先を考えて自分がありたい姿なのかどうか。

他人軸で考えるのではなく自分軸で考えて判断することが大切です。

 

 

■人間関係のキーはお互いの尊重

しかし「夫婦として修復は無理」だと妻が感じ取っているのならば、

夫婦関係を継続することは恐らく無理筋ではないかと思います。

 

それでは夫が妻に今でもセックスを求めてくる理由はなんでしょうか?

残念ながらそれは愛情からではないかもしれません。

性欲もあるのでしょうし、愛情より自分の寂しさを埋める行動かもしれません。

自分の裏切りが原因とはされたくない夫の自己保身も充分に考えられます。

 

世間には表向きに夫婦関係を維持しながら、実は家庭内別居状態というような、

仮面夫婦を何十年も続けている人はごまんと存在します。

 

お互いへの愛情は当の昔に冷めてしまい愛し合ってもいないが、

夫婦というポジションを残し、それぞれ都合の良い人生が回るならヨシとする。

 

結婚はそんなものだと割り切ることが出来るならばそれもひとつの形態でしょう。

誰もそれを非難できませんし、それが夫婦の幸せの形ならばそれも一つです。

 

しかしそれは自分の求めている形ではないとほんの少しでも感じるのならば、

素直に離れてみてそれぞれの新たな人生を模索するほうが、

長い人生を考えると精神的な安定も図れますし将来性があると思いませんか?

 

その可能性に向けて再び人生を取り戻すための努力をするほうが建設的ですし、

女性としての魅力も必ず復活することでしょう。

 

そうしてお互いを尊重し執着を手放して離れてみた結果、

夫も妻の魅力に再び気が付いて再婚したという事例もたくさん経験しています。

 

上手くいかない状態でお互いにしがみついて依存するよりも、

上手くいかないならば一旦離れてみる勇気を持ってみること。

お互いの心の尊重を図ってみると、再び見えてくるものがあるのかもしれません。