毎日の生活の中で、人間関係に悩むことはありませんか?親しい人との関係において、心を痛めてしまう経験って誰しも一度はあると思います。
最初は優しかった人が、いつの間にか攻撃的に変わってしまい、どうしていいか分からなくなってしまった、というお悩み、本当に辛いですよね。
「なぜ私ばかりこんな目に遭うんだろう」「私が悪いのかな」…そう考えて、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
このコラムが、そんなあなたの心を少しでも軽くするお手伝いになれば嬉しいです。
「いい人」が「攻撃的な人」に変わってしまうのはなぜ?
あなたは、「自分を傷つけてくる人とは、最初から関わらないようにしているつもりなのに、どうしていつも同じような結果になってしまうんだろう」と感じているかもしれませんね。
実は、あなたを傷つける人が、最初から攻撃的だったわけではない、というお悩みをいただきました。
最初はとても優しくて、この人なら大丈夫、そう思って関係を深めたのに、徐々に価値観を押し付けられたり、不機嫌な態度を取られたり、高圧的な言い方をされるようになる。
そして、結局いつも我慢してしまう…という経験。
もしかしたら、あなたのお母様との関係も、我慢を強いられるものだったのかもしれませんね。
相手が怒るのは自分が悪いからだと、そう思ってしまう気持ち、とてもよくわかります。
過去に「お前が悪い」と言われ続けてきた経験があると、そう感じてしまうのは無理もありません。
だからこそ、相手を怒らせないように気を配り、相手の言い分を受け入れようと努力しているのに、なぜか相手の攻撃的な言動はエスカレートしていく。
そうなると、「自分はそんなにダメな人間なのかな」と自己嫌悪に陥り、人付き合いそのものが怖くなってしまいますよね。
でも、人付き合いを完全に避けることもできない。
なぜなら、自分の居場所がなくなってしまうような不安を感じるから。
だから、どうしたらいいのか分からず、堂々巡りの状態になってしまう。
そんなお悩み、本当に苦しいですよね。
気づいて!危険な人間関係のサイン
育った環境や過去の経験から、心が麻痺してしまい、危険な関係に気づきにくくなっていることがあります。
特に、いわゆる「毒親」と呼ばれる環境で育ったり、日常的にハラスメントを経験してきた人は、異常なことが普通だと感じてしまう傾向があります。
この「慣れ」が、あなた自身の危険を察知する能力を鈍らせ、結果として、本来避けるべき危険な人を遠ざける判断が遅れてしまうことにつながるのです。
その結果、あなたは知らず知らずのうちに、以前と同じような「危ない人」と関係を築いてしまい、劣悪な人間関係に陥ってしまう可能性が高くなります。
ここでは、あなたを傷つける可能性のある人間関係の特徴をいくつかご紹介します。
もし心当たりがある場合は、注意が必要です。
自分の意見を押し付ける人(支配欲が強い):
あなたの考えや気持ち、自由を尊重せず、高圧的に自分の意見ややり方を押し付けてくる人。まるで自分の思い通りにあなたをコントロールしようとするかのようです。
馬鹿にしたり、侮辱するような言葉を使う人(虐待的な言動):
暴力的であったり、侮辱的な言葉、人を馬鹿にするような言動を平気で使う人。これは精神的な暴力の一種です。
感情の起伏が激しく、すぐに怒る人(感情の不安定さ):
些細なことで怒り出したり、感情的になったりする人。自分の感情をコントロールできず、それをあなたにぶつけてくる傾向があります。
平気で嘘をついたり、約束を破る人(信頼関係の欠如):
信用できない言動が多く、嘘がばれても悪びれる様子もなく開き直り、謝罪をしない人。このような人は、あなたの信頼を平気で裏切ります。
あなたと他の人との関係を邪魔する人(孤立させようとする):
あなたが他の人と仲良くすることを嫌がり、自分だけが重要であるかのように振る舞い、狭い人間関係の中に閉じ込めようとする人。
これらのサインが見られる関係は、あなたにとって健全ではありません。
DV(家庭内暴力)やモラハラ(精神的ハラスメント)、いじめなどに繋がる可能性が高い人物や関係性には特に注意が必要です。
心当たりのある方は、これらの特徴を心に留めておいてください。
「これって普通じゃない?」気づきのポイント
「これはおかしい」と気づくことは、自分を守る第一歩です。
健全な人間関係では、まずありえないような行動や言動を解説します。
もしあなたの周りにこのような人がいたら、それは決して「普通」のことではありません。
虐待を受けて育ったり、DVやモラハラの経験があったりすると、「自分が悪いからだ」と洗脳されてしまい、異常な人間関係でも受け入れてしまう傾向があるため、「関わるべきではない人」に対する警戒アラートが点灯しにくいのです。
●暴力行為
ハラスメントや暴力は、通常、段階的にエスカレートしていくことが一般的です。
最初から暴力を振るわれることは少ないですが、暴力が発現する時点で既に深刻な状況と言えます。
加害者が次第に感情を抑制できなくなってくると、次には悲劇的な犯罪に繋がる可能性が高くなるでしょう。
実際、日本で起きる殺人事件の半数は、家庭内で発生していると言われています。
このような状況からは、できるだけ早く逃げることが非常に重要です。
●嫌がらせ
嫌がらせには、人の所有物を許可なく勝手に捨てたり、大切なものを破壊したりする行為などが含まれます。
これらの行動は、DVやモラハラ、虐待のある家庭では頻繁に起こることですが、それでも異常な行為であることに変わりありません。
あなたの心を傷つけ、あなたの尊厳を踏みにじる行為です。
●経済的DV
経済的DVは、主に婚姻関係において発生することが多くあります。
一緒に生活しているにもかかわらず、収入を家庭に入れなかったり、同居者を困窮させたり、経済的に縛りを多く設ける行為はDVに該当します。
さらに、収入や貯蓄、借金を相手に開示せずに隠す行為も経済的DVに該当します。
相手に無駄遣いをしていると責め、現実的ではない過剰な節約を要求することも同様です。
生活に必要なことを無視して、お金で相手をコントロールしようとする行為も、経済的DVの一形態と言えるでしょう。
●暴言
日常生活で、些細な失敗に対して怒鳴ることは、人権を無視した行為であり異常です。
また、相手を馬鹿にしたり、侮辱的な言葉を投げかけることも異常です。
これらの行動が、日常的に行われている家庭も存在しますが、これは一般的な状況ではありません。
しかし、過去に何度もDV被害を受けた人が、ストレスの限界に達して怒鳴ることもあるかもしれませんから、人権侵害に対する怒りは、正当な感情と言えます。
あなたが「怒り」を感じるのは、おかしいことではありません。
●理由のない無視(自分の思い通りにならないことによる制裁的な無視)
大人ならば、自分の機嫌は自分で取るのが当然のことです。
理由があるにせよ、近しい人間や同居する相手を、あからさまに無視する行為は、精神的に未熟な人間がやる極めて幼稚な行為です。
普通の人が無視をするのは、「相手が理解不能であり、関わるべきではない」と判断し、距離を置いた場合です。
それ以外の場合は、議論など対話によって解決を図るべく、お互いの考えを理解し合えるよう努力をするものです。
●威嚇
ドアを強く開け閉めする、相手を意味なく睨みつけるなど、不機嫌を露わにする態度は、円滑な人間関係の築き方ではありません。
お互いに思いやりと尊重を持ち、対話を通じてコミュニケーションを深め、関係を築くことが重要です。
威嚇をする行為は、相手に圧力をかけ、支配コントロールしようとする行為の現れですので、このような行動が行われる関係は極めて不健康といえます。
上記に挙げた行動は、暴力や支配の域に達するほどの、極めて悪質な行為です。
暴力的な意図で、相手をコントロールしようとする行為ですので、このような行動が見られた場合は、即座に関係を断つべき危険な相手と認識してください。
加害者は基本的に、相手を選んで行動を起こしています。
そのため、暴力は相手の反応を見ながら、次第にエスカレートする傾向があることを覚えておいてください。
加害者は、自分より強そうな相手には絶対に手を出しません。
腕力だけでなく「精神的な要素」も含めて、暴力的なコントロール手法による相手の反応を見ながら、支配対象になるかどうかを判断し、思う通りに支配できると踏んだ相手にだけ支配を強めていきます。
関係を深める前に見極めよう!危険な兆候とは
深刻な状況になる前に、相手の言動に注意を払うことで、傷つくことを避けられる場合があります。
あなた自身やあなたの興味対象をディスる(脱価値化):
心理学的にいうと、相手の脱価値化の一形態です。
支配的な人は、故意にあなたの自尊心を傷つけ、あなたの人間性を低く評価することで、「あなたは私より下だ」という立ち位置を意識させようとします。
小さな責任転嫁・小さな失礼など違和感のある発言:
人を支配しようとする危険な人物は、その相手のリアクションによって「この人は支配できそうかどうか?」を判断しています。
その判断基準はただひとつ、「自分の言動を許容する人物かどうか?」です。
あなたが波風を立てずに、場の雰囲気を壊さないように受け入れたり我慢したりすると、その人は「こいつは支配できる」と判断します。
一気に間合いを詰めてくるタイプの人:
支配的な人は、人との距離を異常に早く詰めようとします。
自分と他人の境界線が曖昧なため、人間関係の距離感を保つことが難しいことと、相手を早く取り込んでしまいたいという勝手な思いが暴走するため、中途半端な関係を嫌います。
相手と距離を詰めようとする時、支配者は相手を理想化し「運命の相手」「ソウルメイト」「わかりあえる親友」といった言葉で、一気に距離を縮めようとします。
出会って間もない時に、このようなセリフを相手から言われた場合は注意が必要です。
「あなたってこういう人だよね」と決めつける(Youメッセージ):
「Youメッセージ」と呼ばれる、相手を主語にしてネガティブなことを言ってくる人は、自分の都合の良い価値観で、相手にレッテル貼りをする傾向があります。
彼らはズカズカと他人の領域に入り込んでレッテル貼りをして、相手を自分より格下の存在として扱います。
マウンティング:
支配的な人は、全ての人間関係を上下関係に置こうとします。
会話の中で、自分は相手よりも優位であるというニュアンスを、意図的に挟み込む傾向にあります。
これは精神的に異常な競争心の特徴とも言えるでしょう。
また、求められてもいないアドバイスを上から目線ですることも、マウンティングの一形態と言えます。
あなたの新たな挑戦を嘲笑する:
支配的な人は、自分より劣る相手を求めているため、あなたの能力や価値を意図的に貶めようとします。
「あなたにそれはできない」「そんなことやっている場合じゃない」「身の程を知れ」などと言い、新たな挑戦を愚かだと評価し、無駄な行為だと頭ごなしに批判します。
あなたの可能性を潰そうとする行為です。
嫉妬深く、楽しい気持ちを壊してくる:
支配的な人は、常に自分と他人を比べているため、あなたの喜びや成功を喜ぶことはせず、結果を過小評価したり批判したりします。
あなたの幸せを素直に受け入れられないのです。
嘘をつく:
自分を良く見せるための嘘や、自分の責任を回避するための嘘、そして自分のほうが被害者であるという虚偽の主張は、支配的な人物がよく用いる行為です。
このような人物は、嘘がバレてその言動を批判されても、どんなに立場が悪くなったとしても、絶対に謝罪することはありません。
そもそも自己肯定感が低いため、自尊心が傷つくような状況は、どんなことがあっても避けようとするからです。
第三者からみても、明らかにおかしいと思うような嘘を、悪びれもせず、顔色一つ変えずに付くという、サイコパス的な特徴を持つこともあります。
関わってはいけない危険人物とは
関わりをもってはいけない危険な人物は、他人を人間として認識できない、致命的な障害を持っていると言っても過言ではありません。
そのような人との関係は、相手を思いやるという気持ちが欠落していますから、健康な関係や成長は期待できません。
支配的な人にとっての人間関係は、支配か隷属か、勝ちか負けか、利益があるかどうか*、というような歪んだ関係性に終始します。
彼らは自分自身の安定だけが目的であり、そのために他人を利用して自己価値を高めようとしています。
そのため、心の交流や人間同士のつながりは全く頭にありませんし、求めてもいませんし存在もしないのです。
彼らにとって他人は、支配や利用するものという認識しかありませんし、自分の欲求のはけ口か自分の安定しか考えていないのです。
相手の人権や尊重は、一切頭にないということを良く覚えておいてください。
彼らにとって、あなたが我慢することは当たり前という認識です。
大切なあなたへ:自分を守るための具体的な行動
ここまで読んで、「もしかして、私の周りのあの人もそうかもしれない…」と感じた方もいるかもしれませんね。
もしそうだと感じたなら、それは自分を守るための大切な気づきです。
自分の気持ちを一番に大切にする
これまでのあなたは、相手の気持ちを優先し、我慢することに慣れてしまっていたかもしれません。
でも、もうその必要はありません。
これからは、あなたの「嫌だな」「辛いな」という気持ちを大切にしてください。
あなたの心を守れるのは、あなた自身です。
物理的な距離を置く
危険なサインが見られる人間関係は、トラブルや苦しみに繋がる可能性が高いです。
できるだけ速やかに、物理的な距離を置くことが重要です。
連絡を控える、会う頻度を減らす、状況によっては関係を断つことも、自分を守るために必要なことです。
「ノー」と言う勇気を持つ
相手の無理な要求や不快な言動に対して、はっきりと「ノー」と伝える練習をしてみましょう。
最初は難しいかもしれませんが、自分の気持ちを伝えることで、相手との間に健全な境界線を引くことができます。
信頼できる人に相談する
一人で抱え込まずに、家族、友人、職場の同僚など、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。
客観的な意見を聞くことで、状況を冷静に判断できるようになることもあります。
有害な人物は、あなたの人生に関わることを許さないという意識を強く持ち、彼らにその姿勢をしっかり示すということを忘れないでください。
あなたの人生は、あなた自身のものです。
あなたが笑顔でいられる人間関係を築くために、一歩踏み出す勇気を持つことが、何よりも大切です。