いつからか夫婦なのに本音で話し合えなくなった…
夫婦関係が冷え切ったまま、この先がどうなるのかとても不安…
離婚をしたいのか、再構築をしたいのか、自分でも自分が分からなくなった…
こんな悩みをもってご相談される方には「ある共通の問題点」があります。
それは一体どのようなものなのでしょうか?
■自分をごまかさない
「忍耐力」「我慢」
日本人特有の精神論と美徳。
この精神性は一般的に日本で広く支持されていると思います。
「結婚生活は精神力・忍耐力が試される試練の場」
こんな言葉もよく聞かれるのではないでしょうか。
確かに結婚生活を円滑に維持するためには、時には我慢や忍耐も必要になるのかもしれません。
時には夫に「ふざけるな!」と怒鳴りたくなる時もあるけれど。
そう言いたいところを理性と忍耐でグッと堪える。
時には妻に「俺はおまえのATMか!」と言ってやりたくなる時もあるけれど。
言えば倍になって返ってきそうなので、そう言いたいところを理性と忍耐でグッと堪える。
いつも夫の帰りが遅くて、実は浮気の兆候があると思っているけれど、
言ったところでしらばっくれるだけでケンカになるだけ。
今の生活が保証されるなら見て見ぬふりをした方がお互いに良いだろう。
妻は家事より趣味が大切、自分より友達の約束が最優先。
本当は一言言ってやりたい気もするが、言えば自分への不満が爆発するだろうから、
黙って飲み込んで妻の好きにさせてあげたらお互いに安泰だろう。
そうやって自分自身をごまかして、無理やり納得しようとしていませんか?
■我慢や忍耐が自分の心を壊していく
たしかに我慢や忍耐は時に必要なこと。
しかし、夫婦が幸せになるための本質は、お互いに見て見ぬふりで黙って飲み込むことではありません。
相手の嫌なところに不満を募らせて恨みを抱いたり、被害者意識を募らせたりする前に、
お互いにぶつかり合ってでも議論し話し合い、気持ちを共有する努力をすることです。
そこから逃げ続けていても、不満はいつか許容量をオーバーしあふれ出てしまうでしょう。
なぜならば、人は許してはいけないことを許してしまったとき、自分の心が壊れてしまうものです。
鬱や適応障害はそうして自分でも気が付かないうちに静かに進行していきます。
パートナーに不満を募らせてご相談に来る方は、
自分がどれだけ我慢を重ねてきたのかを自己弁護のように声高に主張します。
「もう長い間ずっとずっと耐えてきました。」
「もうこれ以上我慢することが出来ません。」
「もう離婚するしかないと思いますが、今後の生活が不安。」
といった心から苦痛を訴える悲痛な叫びです。
一見すると気の毒な夫婦生活を送っていて同情したくなると思います。
ただ、このような方の裏側に見え隠れする思考は、
「耐えていればいずれ時間が解決してくれるだろう」というような希望的楽観です。
確かに時間が解決してくれる、日薬が効く問題もあるでしょう。
しかし、大抵の夫婦問題に関しては、時間が解決するものは皆無と言ってもよいです。
それなのに、夫婦問題に対してただ目をつぶって耐えているだけで、
真剣に話し合う努力をしなかったがゆえにこじれてしまったのです。
自分の心を守るための行動を起こさなかったことに他なりません。
波風を立てると家庭内がギクシャクするからと、ただ自分を殺していただけですから、
相手はそれを都合よく見て見ぬふりをしますし、
ここまでやっても大丈夫だという変な自信をつけさせてしまうだけ。
相手の不満を知りつつ自分勝手に振る舞う人間はズルいですから、
相手の我慢や忍耐を都合よく利用して、ますます好き勝手な行動を取るものです。
ですから、嫌なものは嫌だと、時にはケンカをしてでも感情を共有し、
何を許して何を改めてもらうのかをキチンと話し合って妥協できる線を引く。
そんな努力をしないのですから、ただ黙って我慢している方もズルいのです。
■夫婦問題から逃げていても終わらない
このままでは問題は解決するどころか、事態はいっそう深刻化してしまいます。
お互い心に不満と憎悪ばかりが溜まっていきますから、
いずれ我慢の限界が来てしまうのも時間の問題だったのでしょう。
お互いに異なる環境で育ってきた個人にとって、思想や許容点が異なることは当然です。
その違いを埋め合う努力をせず、平和に穏やかに過ごせるはずはありません。
夫婦にとって必要なのは、問題から目を逸らして逃げるのではなく、
たとえ喧嘩になったとしても、お互いの気持ちに向き合ってみるしかないのです。
夫婦関係において重要なことは、言い争いや喧嘩を避けることではなく、
夫婦間の負の感情に対して向き合おうとする努力以外にほかなりません。
この努力こそが夫婦円満の秘訣であり、夫婦にとって非常に大事なことでしょう。
しかし、夫婦関係でトラブルになってしまうと、話し合いより感情が先に立ってしまい、
冷静な議論が出来ない場合が圧倒的だと思います。
そのような時にどうしたらよいのか、自分の感情のはけ口をどこに求めたらよいのか。
ひとりで悩むことなく、公平な第三者であるカウンセラーに一度頼ってみてください。
解決へ向けた活路が見出せるきっかけになるかもしれません。