Scroll Top

離婚調停・裁判を考えるうえで重要なこと

 

60代夫婦の熟年離婚事例

婚姻歴32年、子供は既に独立

 

■離婚協議が決裂し泥沼に陥ったとき

婚姻歴が浅い夫婦だったり、20~40代夫婦の離婚の場合、

年齢的にもまだ先があることや長く引きずるリスクを考えるため、

離婚はお互いの間で協議をしまとめられるパターンが多いと感じます。

 

しかし40代~老年夫婦のいわゆる熟年と呼ばれる夫婦の離婚の場合は、

婚姻歴の長さから財産分与などで揉めてしまったり、

後の人生を考えてしまうと離婚自体に難色を示すことが多くあり、

どうしても当人同士の協議では決着がつかないことが多くあります。

 

後者の場合、一般的に離婚調停・裁判を起こすとき、

まず最初に相談する先は弁護士ではないでしょうか。

 

これまで数多くの離婚問題をカウンセリングしてきましたが、

弁護士との関係性は問題解決において非常に重要なことは言うまでもありません。

 

ネット上でたくさんの弁護士が宣伝をしていますが、

次に挙げることは必ず考慮した上で慎重に弁護士の選択をなさることをお勧めします。

 

 

■弁護士はあくまで法律の専門家

夫婦に離婚問題や不倫問題などのトラブルが起こった際、

いの一番に弁護士へ相談をしようとする方が多くいますが、

残念ながらこれは大きな間違いです。

 

弁護士はあくまでも「法律のエキスパート」なのであり、

離婚調停・裁判の「法的解決を専門」としているため、

夫婦問題の本質やメンタルケアをするスキルは持ち合わせていません。

 

弁護士は協議・調停・裁判の進め方や対応を専門とし、

法的に円滑に有利に解決するために存在するのです。

 

例えば離婚問題について具体的に進める以前の状態など、

問題をどう考えるかという段階で弁護士に依頼しても、

慰謝料や離婚や誓約書などという数字や結論ありきとなってしまいます。

それは法律家としてある意味至極当然なのです。

 

なぜならば弁護士の役割とは夫婦間の問題点を浮き彫りにさせて、

法的観点から善悪をつけることが仕事ですから。

 

しかし最初から結果の善悪ありきで考えてしまうと、

再構築か否かで考える際に結果論から善悪を判断してしまい、

その問題の本質がおざなりになってしまうのです。

ここが多くのご相談者の認識が間違えてしまう点です。

 

弁護士への相談を検討する際はあくまで法律を介在させなければ、

解決に至らず法律を介す場合にのみ相談するべきなのです。

 

意外とここの部分を取り違えている方が多くいらっしゃるのが現状です。

 

ある意味弁護士と心理カウンセラーは補完関係であるとも言えると考えます。

夫婦問題の解決という同じ目的を持ちながらも、

弁護士とカウンセラーはそれぞれ別方向からアプローチをするという意味です。

 

夫婦問題が起きて弁護士に相談する前に、

まず心理カウンセラーに相談し問題の本質を紐解き、

次いで解決策を考えることで法律を入れずとも解決に至る場合があります。

 

夫婦関係の再構築という前向きな結論に向かうほうがベストですし、

そのような事例も数多く経験してきております。

 

しかし夫婦関係の本質に向き合ってみても振り返ってもやはり納得がいかない。

夫婦の将来を考えたときにそれぞれ別の人生を選択したほうが、

お互いにとってのベターであるという結論に至る場合もあります。

 

そのような段階で初めて弁護士に依頼することで、

法律を介し結論に向けて解決を図るパターンのほうが、

闇雲に問題を長引かせることなく再出発を早めることにもつながるでしょう。

 

 

■弁護士と相談者の間で生じる情報の非対称性

弁護士は職業上離婚協議や調停裁判の事例を多数有しています。

しかし多くのご相談者は離婚は未経験であることが殆どでしょう。

その為に相談者と弁護士の間には情報の齟齬が出てきてしまいます。

 

弁護士は情報を持っていますが相談者は殆ど情報を持っていません。

よって弁護士と相談者間のコミュニケーションが非常に重要となるでしょう。

それはすなわち弁護士と相談者の相性の問題です。

 

弁護士探しの際に一般的に言われる、

「弁護士の知り合いがいるかどうか」と言われる所以はここにあります。

専門家と素人との情報の非対称性は如何ともしがたいところもあるでしょう。

 

弁護士から「この方向で進めます」と言われてしまうと、

それより他に方法がないと考えてしまうことは仕方ないことです。

 

「他に手段はないのか」「他に良い手立てはないのか」

この部分を丁寧に議論するためには相談者にもある程度の知識が必要となるからです。

その際に弁護士との相性が非常に重要となります。

 

当サロンは豊富な事例を有していますので、

様々な方向性を協議しながら相談者のお気持ちに立ち、

法律ありきのシナリオ以外でご相談に貢献することが可能です。

 

離婚調停や裁判の最中に弁護士から和解を勧められたが、

果たしてそれが正しいのかどうか第三者の意見を求めたいという、

そのような相談者もたくさんおいでになります。

 

 

■弁護士はあくまでビジネス視点

確かに弁護士は相談者のよき代理人ですが、

しかしビジネスとしての視点は必ず存在します。

費用対効果を重要視するところは否めないでしょう。

 

昨今は弁護士の数が闇雲に増加しており、

士業の過当競争が激しくなっている時代です。

とりわけ手間の掛かる離婚訴訟には及び腰になる弁護士が存在するのも事実です。

 

過払い金請求などを専門としている弁護士が散見されますが、

彼らは過当競争によりルートから外れた弁護士であることは知られるところでしょう。

それくらい弁護士のレベルがピンキリであることは事実です。

最近では裁判所の裁判官でさえもレベルが落ちていると感じます。

この視点を相談者は必ず持つべきです。

 

以上のことを頭に置いて相談先の選定を慎重に行いましょう。

 

ファーストアプローチは弁護士なのか心理カウンセラーなのか、

またそれぞれの役割分担についても充分にお考え頂けますと幸いです。